隅田川下り 水上バスでスイスイ
おすすめ度:★★★★★
勝鬨橋から
青年は何想う
東京の大渋滞と無縁の交通機関が、川をすいすいと走る水上バスだ。浅草と東京湾を結び隅田川を上り下りする航路は、観光客に人気が高い。
▽気分全開
浅草・雷門に近い吾妻橋の発着場から、下りの観光船に乗り込む。次の船着き場がある汐留の浜離宮庭園まで約四十分。料金は七百二十円。二階建ての船の屋根は展望デッキで、外国人を含め三十人ほどの乗客でいっぱい。川風を浴びれば船遊び気分も全開になる。

隅田川の水上散策は、色とりどりの橋巡りでもある。赤い吾妻橋をくぐり空色の駒形橋、若草色の厩橋、黄色い蔵前橋と続く。左手に大相撲の殿堂、両国国技館の大屋根が見えてくれば、緑色と桃色のツートンカラーの両国橋は目前。「柳橋から小舟を…」の小唄でもおなじみの柳橋かいわいは右手だ。
▽名にし負はば
新大橋を過ぎて潮風を感じ、楽しげに飛び交うユリカモメが目につくようになる。「伊勢物語」の主人公がこの川で「名にし負はば」と恋人の安否を問い掛けた都鳥は、くちばしと脚が赤いこの鳥のこと。詠み人は在原業平とされるが、とぼけた表情のユリカモメはさぞや返答に困っただろう。
水色の清洲橋、永代橋を過ぎると、そこは摩天楼の峡谷。佃島の高層マンション群、明石町の聖路加タワーなどなど、見上げているだけで首が痛くなりそう。
元は開閉式だった勝鬨橋に差しかかるころ、大都会の台所、築地市場も見えてきて、短い船旅も終わりが近い。下船の準備をしていたら「東京タワーが見えてきました」の船内放送が。浜離宮庭園の森の後方を見やれば、赤い、美しい鉄塔がたたずんでいた。

水上バスの船体はさまざまな種類があるが、一番人気は漫画家の松本零士さんがデザインした「ヒミコ」。宇宙船のような形で、そのミニカー「チョロQ」も乗船客に好評だ。1個900円。







