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スポーツリレーコラム

2016年11月02日

スポーツ界に別れの季節 鳥栖の金民友は兵役で退団  

韓国の兵役に就くため今季限りで退団することが決まり、記者会見する鳥栖の金民友主将=佐賀県鳥栖市 スポーツ界で秋から冬にかけては別れの季節だ。プロ野球ではシーズン終了間際から各球団が戦力外の選手を続々と発表し、サッカーJリーグでも各クラブが来季を見据えて水面下で活発に動く。そんな中、J1鳥栖が韓国人MF金民友(キム・ミヌ)主将の今季限りでの退団を発表した。ただ、理由がほかの選手とは少し違う。クラブをお払い箱になったわけでも、日本の他のクラブに移籍するわけでもない。母国の韓国で兵役に就くために去るのだ。

 徴兵制度のある韓国では、19歳以上の男性に兵役の義務があり、30歳までに約2年間就くケースが一般的だ。来年27歳になる金民友も、兵役の義務を全うするために帰国する。ただし、サッカーから完全に離れるわけではない。韓国サッカーのKリーグには兵役をこなしながらプレーできるチームがあるという。このチームに入団するためには、それ以前にKリーグでプレーしていた実績が必要であるため、来季はまずKリーグのどこかのチームでプレーし、その上で入隊するとみられる。記者会見では「鳥栖を離れることは考えたことがなかった。もっといられたら良かったが、帰らないといけない。みなさんの応援は美しかった」と寂しそうだった。

 竹原稔社長が「サガン鳥栖のここまでの成長とともに歩んできたメンバー」と話すように、身長172センチの小柄なレフティーはクラブの功労者。鳥栖は2000年代初めごろに深刻な経営難に直面し、それは成績面にも響いた。入団した2010年はまだJ2だった。翌年に主力選手として活躍し、鳥栖の初のJ1昇格に貢献した。鳥栖は2012年と2014年にはJ1で5位と躍進するなど、J1で確かな地位を築いた。そんなクラブの屋台骨を支えてきた存在だ。

 

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 岩田 朋宏(いわた・ともひろ)1989年生まれ。東京都出身。2013年共同通信入社。大阪社会部を経て14年12月から大阪運動部でプロ野球を取材。15年12月に福岡運動部に異動し、ソフトバンクやサッカーなどを担当している。


2016年07月06日

「定価」のチケットは時代遅れ? ソフトバンクが価格変動制の試み  

ヤフオクドームで声援を送るソフトバンクのファン(共同) 「例えば、混んでいる日とすいている日の遊園地の料金が同じ。これ、納得できませんよね」。そんな考え方から、プロ野球のソフトバンクがこのほど福岡市の本拠地ヤフオクドームでの主催試合に限り、一部の座席料金を天候や対戦相手などに応じてリアルタイムに変動させる試みを始めた。原理としては、雨で客足が鈍りそうな日には価格が安くなり、日本ハムの大谷翔平投手との対戦など注目度の高い試合は上がる仕組み。まだ、対象は1試合で100席程度だが、今後この販売方式が拡大する可能性もあり、一人のプロ野球ファンとしても、大いに注目している。

 チケットは球団と同じソフトバンクグループのヤフーが運営する電子チケットサービスで購入できる。過去数年の売れ具合を座席ごとに分析して値段を設定。従来は同じ価格の指定席もグラウンドに近い前の列と後ろの列で料金を変え、今後は試合開始後も展開に応じて値段を変化させていくという。

 変動制を始めた背景には、収益をより高めたい事業者側の狙いがある。ソフトバンクは昨年、2年連続の日本一を成し遂げ、主催試合の1試合平均集客数3万5221人は12球団で巨人、阪神に次いで3番目に多かった。ヤフオクドームの収容人員が3万8500人という点などを考えると、毎試合90%以上の座席が埋まっている計算になる。ただ、人気の高い週末の試合のチケットがネットオークションで高額な値段で転売されてしまうなど、収益という面で課題がないわけではない。価格変動制はこうした課題を解決する糸口として期待されており、ヤフーの稲葉健二チケット推進部長は「本来あるべき市場価格に近い値段で販売でき、事業者に適正な売り上げが入る。それによってサービス向上にもつなげられる」と意義を強調した。

 

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 岩田 朋宏(いわた・ともひろ)1989年生まれ。東京都出身。2013年共同通信入社。大阪社会部を経て14年12月から大阪運動部でプロ野球を取材。15年12月に福岡運動部に異動し、ソフトバンクやサッカーなどを担当している。


2015年08月05日

オリックス、大学生にビジネス指南 プロ野球の球団戦略を説く  

2軍の試合で行ったイベントを題材に、帝塚山大で講義するオリックス事業本部の三上尚弘部長(6月18日、岩田朋宏撮影) 熱戦が繰り広げられ、シーズン真っ盛りのプロ野球を題材にしたスポーツビジネスの授業が今、関西の大学で行われている。教壇に立つはオリックスの球団幹部。いつも取材している「勝った、負けた」の世界から少し視点を変えてみて、講義をのぞきに行った。

 「試合の宣伝費がないのなら、始球式の権利を企業に譲って、その企業が始球式の募集をすれば同時に試合の告知にもなる」。6月の奈良・帝塚山大の教室。オリックス事業本部の三上尚弘部長(58)の熱のこもった声が響く。講師を見つめる学生のまなざしは真剣そのものだ。春から受講する学生たちは、授業の一環として9月に奈良・橿原市で行われるオリックス2軍戦の集客戦略を考えることになった。目標は、宣伝費なしで観客3千人を集めること。観客が集まりやすい地方球場での試合とはいえ、2軍戦でこれだけの人数を集めるのは非常に難しい。

 そのために三上氏が、実際にスポーツの興行で行われている手法を学生たちに紹介する。先述した始球式の権利譲渡の話もそう。どうすれば企業にとってうま味のある企画となり、お金を創出できるのか。学術的な理論はできるだけ出さず、オリックスが実際に取った方法を通して説明があるので授業がとても分かりやすい。三上氏によれば、プロ野球にはお金を創出できるイベントや空間が随所にあり、これを考えることが大きな勉強になるのだという。

 

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 岩田 朋宏(いわた・ともひろ)1989年生まれ。東京都出身。2013年共同通信入社。大阪社会部での警察・行政担当を経て14年12月から大阪運動部に。現在はプロ野球の遊軍を務めている。