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スポーツリレーコラム

2014年08月27日

日本ラグビーに大きな転機 「スーパーラグビー」参戦実現に期待  

ニュージーランドで行われたスーパーラグビーのブランビーズ戦に先発出場し、突進するハイランダーズのSH田中史朗(2013年4月12日、ゲッティ=共同) 日本ラグビーが、大きな転機を迎えようとしている。2年後にリーグを拡大する世界最高峰リーグ「スーパーラグビー」への参戦を決めたのだ。日本ラグビー協会は8月14日、新チームを選ぶ入札に参加するため、主催者に申請文書を提出した。シンガポールを拠点とするチームと争う結果は10月までに決まり、実現すれば世界のトップ選手が主戦場とする舞台に、日本のチームが加わることになる。「日本のラグビー界にとって大変重要なチャレンジ」と、日本協会関係者も高い期待を寄せる。
 スーパーラグビーは、現在ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカの南半球の強豪3カ国を拠点とする15チームで争われ、各チームには代表レベルの面々が並ぶ。日本からは代表の主力、SH田中史朗やフッカーの堀江翔太(ともにパナソニック)らが挑戦し、腕を磨いてきた。日本代表のエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)は、かねてから「選手がスーパーラグビーに挑戦する意義は大きい」と海外挑戦を奨励。代表は一昔前こそ韓国がライバル関係にあったが、最近はアジアで試合をすれば大勝ばかりの「1強状態」。一方、ワールドカップ(W杯)で8強入りするようなチームには大差をつけられての敗戦が多かった。しかし、ジョーンズHC体制になって以降は日本もW杯8強入りを掲げて地道に強化に取り組み、昨年はウェールズ、今年はイタリアと欧州6カ国対抗出場チームを破る快挙を達成した。現在テストマッチは過去最多の10連勝中で、国際ラグビーボード(IRB)の世界ランキングでも最高位の10位まで順位を上げた。本格的に海外に打って出る環境は、確実に整ってきているといっていい。
 チームは日本代表選手を中心に編成される予定だ。選手にとっては、これほど世界レベルを身近に接することができる環境はなく、トップレベルに追い付く最短ルートであることは間違いない。日本戦の半分は国内で開催されるため、自国開催の2019年ワールドカップ(W杯)前に、スター選手の迫力あるぶつかり合いやスピード感を国内のスタジアムで見ることができるのは、ファンにとっても朗報になるだろう。
 実は10年以上前のラグビー担当記者時代に、スーパーラグビー参戦(当時の名称はスーパー12)をうわさとして聞いた事があった。2003年のW杯オーストラリア大会の1次リーグでスコットランド、フィジー、フランス、米国に全敗して敗退し、苦い思いを抱えて帰国したころだったと記憶している。当時は話に具体性を欠き、裏付けも取れなかったのだが、時を経て機は熟したということなのだろう。日本は1991年の第2回W杯ジンバブエ戦以降、5大会勝利から遠ざかっている。参戦が決まれば、国内リーグの日程など解決すべき問題も多いが、一層の飛躍のための重要な“切り札”になると期待され、今から楽しみにしている。


【写真】ニュージーランドで行われたスーパーラグビーのブランビーズ戦に先発出場し、突進するハイランダーズのSH田中史朗(2013年4月12日、ゲッティ=共同)

 

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 渡辺 直志(わたなべ ただし)1972年生まれ、茨城県つくば市出身。1995年共同通信入社。大阪支社でプロ野球とラグビーを担当し、99年から本社運動部でプロ野球、サッカー、ラグビーなどを担当。2006から10年までニューヨーク支局で大リーグ担当。11年から本社でデスク。