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スポーツリレーコラム

2010年10月27日

改革への熱意が伝わってこない 観客数水増し発表のJ大宮  

 Jリーグ1部(J1)大宮アルディージャが、2007年11月からの主催試合の観客数を水増しして発表していた。水増しは58試合で計11万1737人に上る。Jリーグは1993年の開幕から入場数を実数で発表しており、その経営の透明性からスポンサーなどの支援を受けてきた。信頼を失墜させる行為で、サッカー界に衝撃が走った。
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 入場者数は、会場のゲート通過者と貴賓席(VIP)などの特別席、車いす観戦者とその介助者のみを合算している。厳密に数えられているようにみえるが、あるJリーグ関係者は言う。「実数発表といっても、実態はあいまいだ。Jリーグが定める入場者の定義なんて、いくらでも穴がある。本当に1の位まで正確に出しているクラブなんてあるのか」

 例えば、取材でスタジアムを訪れても、報道陣は入場者数の中に入らない。では、Jリーグの試合を視察している日本代表のザッケローニ監督はどうだろうか。あるクラブでは「入場者としてカウントする」という。だが、Jリーグ事務局に聞いてみると「難しいところですね」との回答。特別席はカウントされるかもしれないし、記者席はカウントしないかもしれないという。ザッケローニ監督は入場者か否か。明確な定義はない。

 10月24日のホーム、NACK5スタジアム大宮での川崎フロンターレ戦。大宮はこのスタジアムを使用し始めた07年11月以来、「初の実数発表」を行った。1万740人。発表にはゲート通過者、VIP、車いすと内訳までつける徹底ぶり。試合後の記者会見で、大宮の渡辺誠吾社長は「日本一クリーンなクラブを目指そうという意気込みの表れ」と語った。

 

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渡辺 精二(わたなべ・せいじ)1975年生まれ。福岡県筑紫野市出身。2004年共同通信入社。大阪支社でプロ野球・阪神や高校野球などを取材し、2008年5月から東京運動部でサッカー担当。2011年6月30日、退社。


2010年08月04日

出る杭は打たれる? 日本サッカー協会会長人事に思う  

 日本サッカー協会の会長が7月、犬飼基昭会長から小倉純二副会長に代わった。任期満了に伴うものだから、手続き上何ら問題はない。ただ、交代理由には解せないことが多い。

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 会長の定年は 、就任時70歳。現在68歳の犬飼前会長は2期4年務められる年齢ということで、2008年7月に会長に選出された。それが1期2年だけで終わってしまった。

 

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渡辺 精二(わたなべ・せいじ)1975年生まれ。福岡県筑紫野市出身。2004年共同通信入社。大阪支社でプロ野球・阪神や高校野球などを取材し、2008年5月から東京運動部でサッカー担当。


2010年05月12日

かなわなかったW杯出場 23歳のGK西川周作  

 5月10日午後2時過ぎ。かたずを飲んで、その発表を見守った。サッカーのワールドカップ(W杯)南アフリカ大会に臨む日本代表23人の名前が、岡田武史監督から読み上げられた。
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 「GKは楢崎、川島」までは予想通り。次に岡田監督の口から出たのは「川口」だった。今季の公式戦にすら出場できていない故障明けの34歳の選出は、まさに「サプライズ」だった。記者会見場はどよめいた。だが、私には、第3GKとして有力視されていた23歳のGK西川周作の落選の方が衝撃的だった。

 西川はJリーグの大分トリニータを経て、今季からサンフレッチェ広島でプレーしている。日本のGKではナンバーワンといえる正確なキックが持ち味で、北京五輪代表も経験した。彼なら、長く日本代表のゴールマウスに立ちはだかってきた川口、楢崎の壁を崩せるのではと期待していたし、当然代表の一員に選ばれると思っていた。

 

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渡辺 精二(わたなべ・せいじ)1975年生まれ。福岡県筑紫野市出身。2004年共同通信入社。大阪支社でプロ野球・阪神や高校野球などを取材し、2008年5月から東京運動部でサッカー担当。


2010年01月27日

高地対策は必要ない? W杯の舞台、南アでサッカーを経験  

  6月に開幕するサッカーのワールドカップ(W杯)南アフリカ大会に出場する日本代表より先に、昨年12月、南アの高地でサッカーを体験した。場所は南ア最大の都市ヨハネスブルク近郊の旧黒人居住区ソウェト。トタン屋根の小さな家屋が建ち並び、アパルトヘイト(人種隔離)政策の名残が色濃く見てとれる。開幕戦と決勝の会場になるサッカーシティー競技場はすぐ近くだ。私は世界各国の報道陣チームに加わり、地元の人たちと試合をした。
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 標高約1750メートル。W杯で出場各国が頭を悩ましている高地での戦いだ。W杯では会場9都市のうち、5都市が標高1200メートル以上にある。日本代表の1次リーグ初戦、カメルーン戦が行われるブルームフォンテーンが1400メートル、第3戦のデンマーク戦は1500メートルのルステンブルクだ。酸素の薄い高地対策の必要性が叫ばれている。

 W杯会場で最も標高が高いヨハネスブルク。結論から言うと、私は全く体への影響を感じなかった。まともな運動は高校時代に所属したラグビー部以来で、その後15年ほど全力疾走をしたことがない。15分ハーフで行われた2試合について、34歳の感想は「意外に走れるものだな」。

 FWで出場したのだが、日本代表の岡田監督の戦術そのままに、格好良く言えば前線から相手守備陣にプレッシャーをかけまくった。途中でさぼって、体力を温存することもあったが…。アフリカの黒人特有の身体能力と技術力に、軽くかわされ続けたものの、最後まで食らい付く体力は残っていた。「おれもなかなかやるじゃないか」と感心してしまった。しかし、結果は2試合とも0―1で敗れてしまった。

 

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渡辺 精二(わたなべ・せいじ)1975年生まれ。福岡県筑紫野市出身。2004年入社。大阪支社でプロ野球阪神や高校野球などを取材し、2008年5月から東京運動部でサッカー担当。


2009年10月07日

果てしなく遠い道「W杯4強」 オランダ遠征であらためて痛感  

 高い弾道でボールがスタンドに吸い込まれていく…。とは言っても野球ではない。サッカーだ。9月上旬、日本代表のオランダ遠征に同行取材した。試合前日の練習をスタンドから眺めていると、オランダのスター選手たちがシュートを外しまくっていた。イングランド・プレミアリーグ、アーセナルのファンペルシー、ドイツ1部リーグ、バイエルン・ミュンヘンのロッベン、イタリア1部リーグ、インテル・ミラノのスナイダー、ACミランのフンテラール。サッカー好きなら誰もが聞いた事のある有名選手のシュートがことごとく、ゴール枠の上を飛んでいった。

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 そんな光景を見て少しほっとしてしまった。これまで数え切れないほど日本代表のトレーニングを取材してきたが、やはりシュート練習ではネットを揺らすことができない。敵がいない状況ですら外しているのだから、試合で得点できないのは当たり前だ、と思っていた。「オランダも日本とたいして変わらないですね」。隣にいた同僚記者と一緒に笑ってしまった。

 

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渡辺 精二(わたなべ・せいじ)1975年生まれ。福岡県筑紫野市出身。2004年入社。大阪支社でプロ野球阪神や高校野球などを取材し、2008年5月から東京運動部でサッカー担当。


2009年07月01日

試合前に相手国記者と雑談 余裕の豪代表ピム監督  

 大らかなお国柄なのか、余裕なのか。こんなに開けっぴろげに取材をさせてくれたサッカーの監督は初めてだった。オーストラリア代表のピム監督だ。 
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 ワールドカップ(W杯)アジア最終予選、オーストラリア―日本(6月17日)の取材のため、メルボルン入りしていた時のことだ。試合2日前の夜だった。オーストラリアの練習取材を終えて、ホテルに戻ると、現地在住で取材に協力してもらっているIさんの携帯電話が鳴った。「どうせ、明日は試合前日でろくな話しができないから、今から取材に来いよ」。ピム監督からの誘いだった。Jリーグの大宮、京都での監督経験もあるだけに、日本メディアには好意的だ。
 
 単独インタビューができると、喜び勇んでオーストラリア代表が宿泊する高級ホテルに向かった。ジャージー姿で現れたピム監督はわれわれを地下のバーに誘った。「ちょっと待っていてくれ」と言うと、わずか3メートルぐらいしか離れていない席で代表スタッフと日本戦に向けた作戦会議をしている様子。詳しくは聞き取れなかったが、メディアの目の前で会議を開くなんて、日本代表取材ではあり得ない。岡田武史監督なら、すぐに「出て行け!」となるだろう。
 
 バーにはイングランド・プレミアリーグで活躍するGKシュウォーツァーや、中村俊輔とセルティックで同僚だったFWマクドナルドの姿が見える。日本戦が迫っているのに酒でも飲んでいるのだろうか。こちらも余裕だ。会議を終えて、ピム監督はわれわれのいるソファーにどかっと腰を下ろした。
 
 「プレッシャーはないのか?」と聞くと「ないね」ときっぱり。日本戦では新戦力を試すことや、警告をもらっている選手を使わないことなど、ほとんど包み隠さず教えてくれた。岡田監督が、こんな感じの取材を受けてくれるかといえば、おそらくないだろう。日本代表の宿泊するホテルでの取材も原則禁止されている。
 
 そんなピム監督のオープンな姿勢に、何とも新鮮な気持ちになって、コーヒー1杯で深夜まで話し込んでしまった。テーブルの上をサッカー場、コーヒーカップとろうそくを選手に見立てて、戦術講座までやってもらった。

 別れ際、「試合は2―2の引き分けだと思う」と当たり障りのないスコアを予想すると、ピム監督は「僕は4―4。お客さんも(点がいっぱい入って)喜ぶだろうからね」と冗談交じりに笑って去っていった。その時はいい人だな、と思って、取材のお礼も込めて当たり前のようにコーヒーをごちそうした。ピム監督以下スタッフ7人分の飲み物代が伝票に含まれていて、その高額なことにびっくりしたが、それでも気持ち良く支払った。
 
 試合結果は1―2で日本の逆転負け。やっぱり日本人としては悔しい。試合後の記者会見でピム監督がオーストラリアの強さを得意げに語る姿を見て、コーヒーをごちそうしたことを、ちょっぴり後悔した。

【写真】試合前日の公式記者会見で自信ありげな表情を見せるオーストラリア代表のピム監督(共同)

 

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2009年03月18日

見えてこない議論の中身 Jリーグの秋春シーズン制移行  

 サッカーJリーグのシーズン移行をめぐる議論が混とんとしている。Jリーグは現在、3月に開幕して12月に閉幕する。これをイングランド、イタリアなど欧州主要リーグと同じ8、9月に開幕して翌年の5月ごろに閉幕する「秋春制」に移そうという構想だ。
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 日本サッカー協会の犬飼基昭会長が移行を強く推し進め、Jリーグの鬼武健二チェアマンが移行に消極的な姿勢だから、話がややこしくなる。2人は「対立ではない」と口をそろえるが、両者の溝は深い。日本協会の組織で秋春制の可否を検討するJリーグ将来構想委員会委員長の鬼武チェアマンは3月9日に「移行せず」と結論を出したが、翌10日に犬飼会長は「議論が不十分」と、この結論をあっさり覆してしまった。

 争点は冬をまたいで試合ができるかどうか。Jリーグ側は札幌、山形、新潟など積雪地域のクラブを抱えるため、大半のクラブが反対の立場をとっている。スタジアムや練習場の確保が難しく、集客が減ることが見込まれるのが主な理由だ。

 犬飼会長はなぜ強硬に移行を進めようとするのか。1番の理由を聞いてみると「冬場に試合をすれば、サッカーの質が上げられる。プロの興行なので、お客さんにはいいプレーを見てもらうべき。今は夏場の暑い中で、正直金を払って見せていいのか、という試合がある」との答えが返ってきた。

 

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渡辺 精二(わたなべ・せいじ)1975年生まれ。福岡県筑紫野市出身。2004年入社。大阪支社でプロ野球阪神や高校野球などを取材し、2008年5月から東京運動部でサッカー担当。