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スポーツリレーコラム

2009年10月14日

許していいのか!朝青龍のガッツポーズ 危機感薄い相撲協会に違和感  

 10月上旬、親せきの四十九日法要に参列した。粛々とお経を読み上げる僧侶の後ろ姿を見て、不謹慎ながら、ふと思った。「読み終わった僧侶が『よしっ!』と言って両腕を突き上げたら、場の雰囲気はどうなることやら…」。そんなことが起こるはずもないが、もし現実ならばこの僧侶は破門されるだろう。わたしの妄想はさらに広がり、歌舞伎役者や宝塚の女優、落語家が完ぺきな出来栄えに興奮を抑えられず、舞台で雄たけびを上げてガッツポーズをしたら―。観客は絶対に違和感を覚えるはずだ。
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 これはすべてわたしの妄想にすぎない。しかし長い歴史と伝統を誇り、礼儀や秩序、格式を重んじる大相撲でまさかの光景が現実に起きてしまった。しかも1年に2度。それも最高峰に立つ看板力士によって、である。秋場所千秋楽で白鵬との横綱同士による優勝決定戦を制した朝青龍は、1月の初場所に続いて土俵上で両腕を高々と突き上げてしまった。対戦相手への敬意や「礼に始まり、礼に終わる」という、長く培われてきた精神を全く感じさせない行為。初場所後にあれだけ各方面から批判されながら、今回は土俵を下りる前に誰かを見つめ、少し〝ため〟をつくってのパフォーマンス。「どうせ何か言われても、また謝ればいいんだろう」という確信犯のようなものだった。
 
 たかがガッツポーズ、されどガッツポーズだ。もし序ノ口優勝した15歳の新弟子が朝青龍をまねて同じことをしたら、どうなるか。即刻クビにする師匠がいるかもしれない。問題は横綱審議委員会(横審)の鶴田卓彦委員長が「その人の個性だから、違和感はないよ」と言うように、朝青龍だけを特別扱いするムードが充満していることだ。肝心の相撲協会にも危機感はない。師匠の高砂親方(元大関朝潮)を横審に呼び、1分間足らずの陳謝だけで済ませてしまった。相撲一筋で生きた男たちにとって、土俵外での数々の不祥事への対処は難しかったろう。だからこそ、せめて土俵の中に対してだけは厳しくあってほしい。朝青龍のガッツポーズは枝葉だが、〝なあなあ〟でやり過ごしていると根幹が揺らいでしまう。「一番いけないのは相撲協会。朝青龍にガツンと言わないからよ」とは横審の内館牧子委員。わたしも同感だ。
 
 誰か停滞した流れを変えられないのか、と思っていたら、突如として現れた。来年1月の役員改選で新理事に立候補する意向を固めた貴乃花親方(元横綱)だ。「われわれはとにかく土俵なんです。常に土俵に集中する。わたしのその思いだけは、絶対にぶれませんから」と言い切る。伝統文化への誇り、勝負に対する強い姿勢には一点の曇りもない。指導者全員が見て見ぬふりをせず、このスタンスを貫けば、朝青龍の3度目のガッツポーズはないはずだが…。

【写真】初場所で物議をかもした朝青龍のガッツポーズ。秋場所でも再び繰り返した(1月25日撮影、共同)


田井 弘幸(たい・ひろゆき)1973年生まれ。大阪府出身。96年に入社。大相撲担当からプロ野球の阪神、中日担当を経て、2002年から大相撲に復帰。


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コメント

ガンバっていますね!!
急に思い立ち、記事を検索してみました。相撲の記事を書き続けているんだぁ~!と驚きとやっぱり!とが混ざった様な感覚です。
時々覗いてみますね。これからも、魂のこもった記事を書き続けて下さい。応援しています。(^^)/

投稿者 あおい : 2009年10月18日 01:51


日本人大関も小さくガッツポーズやったことありますよね。その時注意はあったのでしょうか。朝青龍の悪い点よりも、それを注意する側のやり方が気になります。そしてマスコミの取り上げ方も。

投稿者 朝青龍を特別扱いはマスコミ : 2010年05月20日 04:41


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