表彰選手の選考方法改正を 疑問を感じさせる現行方式
プロ野球コンベンションが20日、福岡市内のホテルで開催され、華やかな雰囲気の中、今季の最優秀選手(MVP)や最優秀新人(新人王)、そしてベストナインが発表された。各受賞者の活躍ぶりには素直に拍手を送りたい。しかし、選考過程に関しては、少し見直してもいいのではないかと感じている。
▽記者投票での疑問点
MVPや新人王、ベストナインは記者投票で選ばれる。全国の新聞、通信、放送各社の経験5年以上のプロ野球担当記者が記名投票し、MVPは3名連記で1位票5点、2位票3点、3位票1点が加算され、その合計点で争われる。新人王とベストナインは、単純に得票数の多さで競われる。
投票結果はセ、パ両リーグから発表され、受賞者のほか、1票でも獲得していれば、その選手名と得票数も公表される。毎年のようにプレスリリースを見ながら感じることだが、「あれ、なんで?」「どうしてこの選手?」など、疑問に感じる名前が数名ほど見受けられる。シーズンの成績や印象度が劣っている選手に対する投票には首をかしげてしまう。
「MVPは優勝チームから選ばれるべきだ」。「いやいや、チームが優勝できなくても、三冠王などの成績優秀者を選ぶべきだ」。投票基準が記者の主観で分かれる部分があるのは理解できる。だが、明らかに価値観の違いではなく、奇をてらったとか、ひいきの選手を書いたとしか思えないものもある。名前を書かれた選手本人は、どう感じるだろう。喜びよりも、「こんな成績なのに…」という複雑な気持ちの方が大きいに違いない。
▽新方式の検討を要望
米大リーグではMVPと新人王は全米野球記者協会による投票で選出されるが、打撃部門のベストナインにあたる「シルバースラッガー賞」、そして守備部門のベストナインに相当する「ゴールドグラブ賞」は各球団の監督、コーチの投票で決められている。
「メジャー方式」に追随すべきだというつもりはないが、日本でもベストナインと、守備の名手に送られる「ゴールデングラブ賞」については各球団の監督、コーチの投票で決めてはどうだろう。 加えて規定打席数や規定投球回数を達成した選手にも投票権を与える。集計作業などの大変さはあるが、他のチームの監督や選手の評価で決まったとなれば、受賞者の受け止め方も違うだろう。
さらに外野手部門の区別を図っても面白いと思う。左翼手、中堅手、右翼手では、守備面での役割が違うのは明らかだ。先発、中継ぎ、抑えという分業制が進んだ投手部門も、オールスターのファン投票のように「抑え」と「中継ぎ」部門を新設する。過去の受賞投手を見れば、やはり先発投手ばかり。救援陣にとってはタイトルとは別の意味の励みになると思う。
ベストナインの表彰の始まりは1940年までさかのぼる。長い歴史の重みは理解できるし、自分たちが投票できなくなる寂しさもあるが、現行制度を見直せば、今までとは違った楽しみ方が生まれてくるに違いない。
【写真】今年の最優秀選手に選出され、授賞式で記念写真に納まる巨人の小笠原道大内野手(左)と日本ハムのダルビッシュ有投手。中央は日本代表の星野仙一監督=11月20日夜、福岡市内のホテル
松岡 登(まつおか・のぼる)1966年生まれ。広島県出身。98年からプロ野球担当となり、中日、阪神、ヤクルトなどを取材。05年からはコミッショナー事務局やセ、パ両リーグなどを中心に取材。
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