29日の参院選で与党の自民、公明両党の与党が過半数割れが確実となったことで、消費税を含む税制改革など経済政策面の重要課題は先送りされる公算が強まった。安倍政権が取り組んできた貿易自由化や農業改革にも、影響をおよぼす可能性がある。
安倍晋三首相は就任以来、今秋から税制改革について本格的に議論する方針を示してきた。しかし、首相は公示直前、いったん消費税率引き上げに前向きとも受け取れる発言をしながら、公示後は慎重姿勢に転じ、結局、明確な考えを示さなかった。
一方、民主党など野党は政権公約で、一斉に消費税上げに反対した。今回、民主党が大勝したことで「消費税上げの議論をしにくくなる」(経済官庁幹部)との見方が出ている。
安倍政権はまた、農業大国のオーストラリアと自由貿易協定(FTA)を柱とする経済連携協定(EPA)の交渉を開始。自由化に対応できる「強い農業」育成のため、大規模農家を中心とする支援策を進めている。
これに対し、民主党は大規模農家重視に反対している。農水省幹部は「法案通過に時間がかかり、農政改革が遅れるのでは」と懸念している。