女子マラソン土佐が「銅」 北京五輪切符も獲得


 陸上の第11回世界選手権大阪大会は2日、大阪市の長居陸上競技場で9日間にわたる競技を終了し、閉会式を行って閉幕した。
 注目の女子マラソンは、2001年エドモントン大会(カナダ)銀メダリストの土佐礼子(31)=三井住友海上=が2時間30分55秒で日本選手最上位の銅メダルを獲得、来年の北京五輪代表の座を手にした。土佐は今大会の日本選手で唯一のメダリストとなった。PN2007090201000600.-.-.CI0002.jpg
 アテネ五輪銀メダルのキャサリン・ヌデレバ(35)=ケニア=が2時間30分37秒で2大会ぶり2度目の優勝。2位は昨年のドーハ・アジア大会を制した周春秀(28)=中国=で2時間30分45秒だった。
 土佐は39キロ手前で先頭集団から遅れかけたが、すぐに挽回。40キロすぎに3位に上がる持ち前の粘りを発揮した。
 このほかの日本勢では世界大会初挑戦の嶋原清子(30)=セカンドウィンドAC=が2時間31分40秒で6位に入賞した。09年大会はベルリンで行われる。

【写真】世界陸上女子マラソンで銅メダルを獲得し、笑顔で手を振る土佐礼子選手=2日夜、大阪市の長居陸上競技場


専門外の5000も「金」 ラガト1500との初の2冠


 満面の笑みで表彰台に飛び乗った。男子1500メートルで初優勝したラガトが、勢いをかって専門でない5000メートルでも金メダル。「自分の最高のレースができた。関西空港に降り立った時は、こんなことが起きるなんて思いも寄らなかったよ」と目を丸くした。
 中距離と長距離の珍しい2冠は、アテネ五輪で名選手エルゲルージ(モロッコ)が達成しているが、世界選手権では初の快挙。「彼の足跡をたどれて光栄だ。自分にとって大きな意味がある」と喜んだ。
 この夜はスローペースのレース展開も幸いした。体力を消耗せずに終盤を迎え「残りの周回表示が3周なのを見たら力がわいてきた。これなら1500メートルと同じだと思えた」と振り返った。残り200メートルから中距離のスプリント力でスパートし、カーブの出口で前々回優勝のキプチョゲを逆転した。
 2年前に米国籍を取った元ケニア選手。キプチョゲとは同じ村の出身という。



王国の威信取り戻す金 90m越えのピトカマキ


 優勝を争ったトルキルドセンが最後の投てきを終え、金メダルが確定しても、集中力は失わなかった。男子やり投げを制したピトカマキはライバルたちの祝福の手拍子の中、6投目の“ウイニングスロー”に臨んだ。PN2007090201000548.-.-.CI0002.jpg
 体が左に大きく流れるダイナミックなフォームから、美しい放物線を描いて、やりが飛ぶ。90メートル33の好記録に、観客席がどよめいた。右手を投てきのフォームのように振り回し、今度は歓喜のウイニングランを決めた。
 この日は2回目で89メートル16をマークし、トップに浮上、そのままその座を譲らなかった。「最悪だった」という予選から見事に修正。「きょうは“僕の日”だった」という会心の投てきとなった。
 7月、とんでもない事件で世界を震撼させた。「13日の金曜日」にローマで行われたゴールデンガラ。ピトカマキが投じたやりが左にそれ、男子走り幅跳びの選手に突き刺さったが、そのショックをきっぱりと振り払った。

【写真】ピトカマキの投てき 男子やり投げ決勝 優勝したフィンランドのテロ・ピトカマキ=長居陸上競技場


土佐「銅」、ヌデレバ「金」 日本はメダル1で終わる


 陸上の世界選手権最終日は2日、大阪・長居陸上競技場で行われ、女子マラソンは土佐礼子(三井住友海上)が2時間30分55秒で3大会ぶりのメダル獲得となる3位に入った。土佐は自動的に北京五輪代表に決まった。
PN2007090201000504.-.-.CI0002.jpg キャサリン・ヌデレバ(ケニア)が2時間30分37秒で2度目の優勝と3大会連続のメダルを達成した。8秒遅れの周春秀(中国)が2位。嶋原清子(セカンドウィンドAC)が6位に入賞し、今大会の日本はメダル1、入賞6に終わった。
 男子5000メートルはバーナード・ラガト(米国)が制し、大会史上初めて1500メートルとの2冠を達成。1600メートルリレーは男女とも米国が優勝し、初のリレー4種目全制覇を果たした。
 女子走り高跳びはブランカ・ブラシッチ(クロアチア)が2メートル05で優勝。男子やり投げはテロ・ピトカマキ(フィンランド)、同800メートルはキルワ・イエゴ(ケニア)、女子1500メートルはマリヤム・ユースフ・ジャマール(バーレーン)が勝った。

【写真】星条旗掲げるラガト 男子5000メートル決勝を制し、笑顔で星条旗を掲げる米国のバーナード・ラガト=長居陸上競技場(代表撮影)


世界陸上で初の陽性反応 日本選手ではないもよう


 国際陸連(IAAF)のディアク会長は2日、世界選手権大阪大会のドーピング検査で1件の陽性反応があったと発表した。ドーピング違反が確定していないため、選手の氏名、性別、出場種目などは明らかにしなかった。関係者によれば、日本選手ではないという。

 今大会で国際陸連は、開幕前の抜き打ち検査を含め1060件の検査を実施。2年前の前回ヘルシンキ大会では2件のドーピング違反が見つかり、日本開催だった1991年東京大会での違反は3件だった。


不振の日本に気力でメダル 土佐「あきらめちゃ駄目」


 握り締めた右こぶしを掲げ、土佐が女子マラソン(世界陸上、2日)のゴールを3番目に駆け抜けた。どこまでも粘れる持ち味を発揮し「ほっとしている。気力だけだった」。日の丸をスタンドに掲げる笑顔は達成感でいっぱいだった。
 7月末に中国で左ひざを強打し、軽い痛みは今も残る。8月10日から26日までの中国での昆明合宿は回復が最優先。
 前半はスローな展開。「積極性は失わないように」と集団を引っ張る場面も多かった。先頭争いは徐々に絞られ、38キロすぎには5人。1キロ足らずで、土佐も遅れ出した。
 だが「あきらめちゃ駄目だ」と必死に前を追った。アテネ五輪代表を決めた2004名古屋国際で劇的な逆転優勝を遂げた経験もある。腕振りが乱れても必死に前を追った。40キロすぎに3番手に浮上。試練を乗り越えて不振が続いた日本に今大会初のメダルを最後の最後にもたらした。


初の世界大会で「大満足」 マラソン6位入賞の嶋原


 暑さに強く、スローペースの持久戦なら勝負できる自信があった。2日の世界陸上女子マラソンのレース後半、雲間から太陽が顔を出し、気温が30度以上まで上昇していく。嶋原は「この流れはわたしの展開」と懸命に走った。終盤まで先頭集団に食らいつき、初出場で6位入賞と健闘。晴れやかな表情でゴールした。
 38キロ付近。先頭集団は昨年のドーハ・アジア大会で金メダルの周春秀ら有力選手に絞られた。同銀メダルの嶋原は「豪華メンバーの中にわたしがいるな」と少し感慨に浸っていると、突然のペースアップ。だが「マイペースでいこう」と無理に追わず、入賞狙いに切り替えた。メダルは頭をよぎらなかったという。「初めての世界大会で大満足の結果」と話した。
 資生堂を今春退社し、川越学監督が設立したクラブチームに移籍した。週2回のランニング教室で市民ランナーと触れ合うことで「練習とプラスアルファのスタミナがついた」と語る。


土佐が真骨頂の粘り 右手掲げ涙のゴール


 これが土佐の真骨頂だ。持ち味の驚異的な粘りを発揮し、自身3大会ぶりのメダルに輝いた。メダルなしが続いた日本の最後の「希望」として挑んだレース。「救世主になれればいいけど、そんなに甘くない」と話した経験豊富な31歳が、期待に応える3位に入った。

 31キロを過ぎて先頭集団は8人。37キロすぎに5人に絞られ、39キロ手前で土佐が遅れ始めた。だが2004年名古屋国際女子マラソンで驚異的な逆転優勝を遂げた土佐はあきらめなかった。

 口を大きく開き、首を振りながら前を追いかけた。すぐに4位に上がると40キロすぎについに3位に浮上。7月に中国で痛めた左ひざの不安をはね返し、右手を掲げて涙のゴールとなった。

 アテネ五輪5位入賞後に結婚。松山市に住む夫とは別居生活で北京五輪を目指してきた。その思いをかなえる銅メダルとなった。



土佐、粘りの銅で五輪切符 世界陸上女子マラソン


 陸上の第11回世界選手権は最終日の2日午前、大阪市の長居陸上競技場発着の女子マラソンを行い、土佐礼子(31)=三井住友海上=が2時間30分55秒の日本選手最上位で銅メダルを獲得、来年の北京五輪代表の座を手にした。土佐は今大会の日本選手で唯一のメダリストとなった。
2007090201000085.jpg アテネ五輪銀メダリストのキャサリン・ヌデレバ(35)=ケニア=が2時間30分37秒で2大会ぶり2度目の優勝を果たした。2位は昨年のドーハ・アジア大会を制した周春秀(28)=中国=で2時間30分45秒だった。
 土佐は39キロ手前で先頭集団の5人から遅れかけたが、すぐに挽回。40キロすぎに3位に上がる粘りを見せた。
 このほかの日本勢は、嶋原清子(30)=セカンドウィンドAC=が2時間31分40秒で6位に入賞した。(時間は非公式)

 【写真】世界陸上の女子マラソンでゴールする銅メダルの土佐礼子=2日午前、大阪市の長居陸上競技場




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