室伏6位、チホン3連覇 女子100はキャンベル制す 8月27日
陸上の世界選手権第3日は27日、大阪・長居陸上競技場で行われ、男子ハンマー投げ決勝で2004年アテネ五輪覇者の室伏広治(ミズノ)は80メートル46で6位に終わった。最終6投目に83m63を出した同五輪銀メダルのイワン・チホン(ベラルーシ)が3大会連続の優勝。室伏はこの入賞で北京五輪代表に決まった。
女子100mは前回2位のベロニカ・キャンベル(ジャマイカ)が、前回優勝のローリン・ウィリアムズ(米国)と11秒01の同タイムながら初優勝した。男子1万mはケネニサ・ベケレ(エチオピア)が27分5秒90で3連覇。竹沢健介(早大)は28分51秒69で12位だった。
男子1500m準決勝の小林史和(NTN)は2組11着の3分43秒64で、女子400m準決勝の丹野麻美(福島大)は1組8着の51秒81で、いずれも日本選手初の決勝進出はならなかった。
【写真】80m46を投げた室伏広治の6投目=長居陸上競技場
ショッキングな光景だった。男子ハンマー投げの室伏広治(32)=ミズノ=は、ホスト国の「顔」として期待された金メダルはおろか、表彰台も逃した。従来とは違うアプローチで臨んだ2大会ぶりの世界選手権。本領を発揮できなかった。
アテネ五輪優勝の後、「金属疲労」を感じ、2005年は休養にあてた。「長くやるには体の変化に合わせて練習方法を変える必要がある」と、このころから練習の方向性を転換した。
かつては数時間もの投げ込みや過酷な筋力強化で肉体を限界に追い込み、高速4回転投法を磨いてきた。だが今は「肉体より感覚を駆使する」と単純な反復動作は否定し、バーベルにハンマーをつるした不安定な状態で筋力強化をしたり、投網やうちわ投げにも真剣に取り組み、独自の練習法を生み出してきた。
並行して中京大大学院での研究も進め、ハンマーの加速のメカニズムを論文にまとめた。今年、体育学博士号取得が決まった。「年齢がいってもできるような最先端の理論を作っている。フォームの追求が終わったとは言わないけど限界はある」。今後も世界のトップに君臨するための、“ドクター鉄人”の新たな取り組みは始まったばかり。北京五輪に向けて出直すしかない。
室伏広治の話 できる限りはやったと思う。過去になく全体のレベルが高かった。完全にピークが合っていなかったかもしれないが、これだけできて、自分では評価したい。メダルは取りたいと思って取れるものではない。
陸上の世界選手権第3日は27日、大阪・長居陸上競技場で行われ、女子走り幅跳び予選で7メートルの大台とメダル獲得を目指した日本記録保持者の池田久美子(スズキ)は6m42で落選した。池田は1回目が6メm39、2回目も6m25と低調で、最後の3回目も大きく記録を伸ばせなかった。
男子走り高跳び予選で醍醐直幸(富士通)は2m19に終わり、女子円盤投げ予選で52m76だった室伏由佳(ミズノ)とともに落選した。
女子100m障害予選の石野真美(長谷川体育施設)は4組8着の13秒29で、同400m障害予選の久保倉里美(新潟アルビレックス)は1組6着の57秒01でいずれも敗退した。
【写真】女子走り幅跳び予選で敗退した池田久美子
大阪の大舞台で7mを跳び、メダルに輝く夢が早くもついえた。女子走り幅跳びで6m86の日本記録を持つ池田が予選で姿を消した。1回目は6m39。2回目も6m25にとどまった。追い込まれた3回目。この時点で6m58が予選通過のメドとなる12番目の記録だったが、6m42。表情をこわばらせた。
強化した助走速度と踏み切り技術がかみ合わず、7月から8月にかけた欧州遠征では不振に陥った。原因は走り自体が崩れていたことに求めた。強豪のロシア選手を参考にしすぎるあまり、体の重心の真下ではなく、前で接地し、腰が落ちた状態で跳び出していたことに気付いたという。
池田は「感覚を偽造していた」と反省。今大会前の札幌合宿では3時間、ぶっ通しで跳躍練習をして修正し、「わたしらしさが戻ってきた」と手応えを得たはずが、本来の勢いは戻らなかった。
陸上の手ほどきをしてくれた父、実さん、スズキに同期入社で仲の良かった女子砲丸投げの森千夏さんが一昨年、昨年に相次いで他界。スパイクには「お父さんありがとう」、「森ちゃんありがとう」と刺しゅうで刻んだ。共に戦うつもりでピットに立ったが、早過ぎる敗退となった。
【写真】女子走り幅跳び予選 3回目の跳躍を終え、さえない表情の池田久美子
【男子】
▽ハンマー投げ決勝
| (1)イワン・チホン(ベラルーシ) | 83m63 |
| (2)コズムス(スロベニア) | 82m29 |
| (3)ハルフレイタグ(スロバキア) | 81m60 |
| (4)デビャトフスキー(ベラルーシ) | 81m57 |
| (5)パルシュ(ハンガリー) | 80m93 |
| (6)室伏広治(ミズノ) | 80m46 |
| (7)ジオルコフスキ(ポーランド) | 80m09 |
| (8)エサー(ドイツ) | 79m66 |
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