ゲイが圧勝、9秒85 男子100m決勝 8月26日


 短距離王国の威信を懸け、一気に頂点へ上り詰めた。男子100m決勝は進境著しいゲイが世界記録保持者パウエルとの「最速対決」を制した。予告した世界新は持ち越したが、追い風参考ながら今季9秒7台を2度出した実力は本物。米国に新エースが誕生した。
 5レーンがゲイ。4レーンがパウエル。スタートこそ、体の大きなパウエルがリードしたが、中盤からゲイがものすごい加速でトップに立つと、そのまま歓喜のゴールを駆け抜けた。
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 米国陸上界はアテネ五輪男子100m金メダルのジャスティン・ガトリンがドーピング違反で競技場を去り「クリーンな王者になるのは自分しかいない」との強い思いがあった。苦手だったスタート技術を磨くため元男子短距離のジョン・ドラモンド氏(米国)に指導を受け、弱点を克服した。
 前回大会は男子200mで4位に泣いた。大阪は雪辱を期す舞台でもあった。「米国のエースとしてスポットライトを浴びたい」。ケンタッキー州出身の元野球少年は今冬、周囲も驚く上半身の徹底強化に取り組み、腕の振りを大きくした。
 183cm、73kg。パワーで押し切る走りでなく、上下動の少ないフォームで加速するため「最も美しい種目」と表現する200mでもスピードを維持できる。
 「記録に限界はない」。昨年は5戦全敗だったパウエルに初勝利し、次のターゲットはもちろん世界記録。果てしなき野望を抱く。

 タイソン・ゲイの話 リラックスして、スタートでの反応に集中することを心掛けた。(準決勝までのレースからは)ちょっとした修正だった。実際にも、0秒143と、いい反応ができた。北京五輪のことはまだ考えていない。まずはマッサージを受けて、家族と顔を合わせ、200mに集中したい。

 【写真】男子100m決勝 9秒85で初優勝した米国のタイソン・ゲイ。右は3位に終わった世界記録保持者のアサファ・パウエル

 【男子】
 ▽100m決勝 

(1)タイソン・ゲイ(米国)9秒85
(2)アトキンス(バハマ)9秒91
(3)パウエル(ジャマイカ)9秒96
(4)ファスバ(ナイジェリア)10秒07
(5)マルティナ(オランダ領アンティル)10秒08
(6)デボニッシュ(英国)10秒14
(7)オソブニカル(スロベニア)10秒23
(8)バーンズ(トリニダード・トバゴ)10秒29


余裕の予選一発クリア 女王イシンバエワ 8月26日


 世界を魅了する女王が大阪の夜空を舞った。女子棒高跳びで5m01の世界記録を持つイシンバエワが試運転の予選に登場し、通過ラインの4m55を楽々と1回でクリア。観客に笑顔で手を振って投げキスを贈った。
070826D182.jpg 16年前の東京大会で優勝した男子棒高跳び世界記録保持者のブブカは「現代の陸上界のスターは彼女をおいてほかにいない」と認める。大舞台の強さもスターたるゆえんだろう。
 2004年アテネ五輪は4m91の当時世界新で金メダル。05年7月に女子で初めて夢の5mに到達し、直後の前回世界選手権でも5m01の世界新を樹立した。既に屋外と室内を合わせ、世界記録を20度も更新。大阪の舞台でも「自分の名刺代わり」と言い切る世界新記録に挑む。
 来日してからは「日本語の勉強を特訓中」と屈託なく笑う。趣味のカメラを持ち歩き、日本の文化に触れる生活を楽しむ余裕もある。世界記録を計35度更新したブブカの背中を追う25歳は「日本のファンが一生忘れられないような跳躍をしたい」。新たな歴史をつくるつもりだ。

 【写真】女子棒高跳び予選 最初の跳躍で4m55をクリアし、決勝進出を決めたエレーナ・イシンバエワ


朝原、決勝進出逃す 男子100m準決勝 8月26日


 陸上の第11回世界選手権は26日、大阪市の長居陸上競技場で行われ、男子100m準決勝は9秒77の世界記録を3度出しているアサファ・パウエル(ジャマイカ)や、今季世界最高の9秒84と、追い風参考ながら世界記録を上回る9秒76を出しているタイソン・ゲイ(米国)らが「世界最速」を決める同日の決勝に進出した。
070826D121.jpg パウエルと同じ1組で日本選手初の決勝進出を目指した朝原宣治(大阪ガス)は10秒36で8着に終わり、落選した。 

 朝原宣治の話 やるだけのことはやった。陸上をやってきて、本当に一番の幸せな気分。大声援は非常に大きな力になったけど、世界は甘くなかった。何も思いを残すことなく、レースを終えることができた。見てくれた家族にもありがとうと言いたい。

 【写真】男子100m準決勝 10秒36で決勝進出を逃した朝原宣治(中央)。左は世界記録保持者のアサファ・パウエル


成迫も決勝進出ならず 400m障害準決勝 8月26日


 またも世界の扉は開かなかった。「持っている力は出せたが、戦える力がなかった」。前回ヘルシンキ大会に続く準決勝敗退。男子400m障害の成迫は、素直に敗北を認めるしかなかった。
 レースそのものは悪くなかった。課題の前半から快調に飛ばした。思わぬ予選敗退を喫した日本の第一人者、為末大(APF)が観客席から見守る中「為末さんの分まで、何としても」。一つ一つのハードルに集中し、トップ集団に食い下がった。
070826D167.jpg 終盤まで決勝進出の“圏内”にとどまり、今季自己最高の48秒44。「48秒5で通過できると思っていた。レース展開もタイム的にもその通りだった」。しかし、順位は1組5着。決勝進出には、タイムもあとわずか0秒01届かない。無情の結果を示す電光掲示板に目をやると、表情には落胆の色がありありと浮かんだ。
 「勝負勘が備わっていなかった」。あるいは経験の不足が災いしたのか。「ふがいない」。自分を責める言葉が、思わずあふれ出た。北京五輪に向け、重要なステップに位置付けていた大会でこの結果。「現実を受け止めて、次のトレーニングに向かいたい」。何とか、次へ向かう気力をしぼり出した。

 【写真】男子400m障害準決勝 ハードルを跳ぶ成迫健児(左端)

 【女子】
 ▽砲丸投げ決勝



(1)バレリー・ビリ(ニュージーランド)20m54
(2)オスタプチュク(ベラルーシ)20m48
(3)クライネルト(ドイツ)19m77
(4)李玲(中国)19m38
(5)ラメルト(ドイツ)19m33
(6)李梅菊(中国)18m83
(7)鞏立☆(女ヘンに交)(中国)18m66
(8)ローザ(イタリア)18m39

 【女子】
 ▽七種競技



(1)カロリナ・クリュフト(スウェーデン)7032点
(2)ブロンスカ(ウクライナ)6832点
(3)サザートン(英国)6510点
(4)エニス(英国)6469点
(5)シュワルツコプフ(ドイツ)6439点
(6)スクイテ(リトアニア)6380点
(7)エーザー(ドイツ)6378点
(8)ドブルインスカ(ウクライナ)6327点
(23)中田有紀(日本保育サービス)5869点


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