陸上の世界選手権第1日は25日、大阪・長居陸上競技場で夜の競技を行い、男子ハンマー投げ予選で金メダルの期待がかかる室伏広治(ミズノ)は、2投目に77m25をマークして27日の決勝へ進んだ。
同400m障害予選は成迫健児(ミズノ)が48秒92の5組3着で準決勝に進んだが、前回大会銅メダリストの為末大(APF)は3組6着の49秒67に終わり落選した。
男子100m2次予選では朝原宣治(大阪ガス)が1組4着で準決勝に進出。優勝候補のアサファ・パウエル(ジャマイカ)、タイソン・ゲイ(米国)も順当に通過した。女子1万㍍はティルネッシュ・ディババ(エチオピア)が2連覇し、福士加代子(ワコール)は10位に終わった。
【写真】女子1万mの中盤、先頭に立つ福士加代子=長居陸上競技場
2投目に77m25で決勝へ 室伏、やや物足りなさも 8月25日
無数のカメラのフラッシュは期待の表れだ。男子ハンマー投げ予選に登場した室伏が大きな声援を背に2投目に77m25。通過ラインの77mを超えた。1投目は73m11と不発だった。実戦不足が心配される中、やや物足りなさも残る内容で決勝に進んだ。
それでも室伏は落ち着いていた。「1投目は技術的な単純なミス。予選は通ることが大事」とあくまで照準は決勝に合わせているようだ。
中京大大学院での博士号取得に向けた論文作成に時間をとられ、今季は日本選手権に出場しただけ。優勝記録は79m24にとどまった。その後、米国で合宿を積み「持てる力をいかに出すか」と最善は尽くしてきた。
多忙の半面、鉄球などにセンサーをつけて動作を分析。“ドクター”への道を歩む過程で「投げの設計図が明確になる」と効果も得ている。
従来の投法はターンのたびに片脚になる局面で、ハンマーが減速。両脚のときしか鉄球を加速させることはできないとされてきたが「今までのやり方は限界を感じる。常に加速し続ける、すきがない回転が理想」と昨季あたりから新たなアプローチも始めている。
アテネ五輪を制したが、2年前の世界選手権、昨年のドーハ・アジア大会を相次いで欠場した。久々に“日の丸”を背負う大会。世界もレベルアップが進んでいる。「徐々に(状態を)慣らしていきたい。決勝で頑張る」。27日の決勝では大阪の夜空に大アーチを描いてほしい。
信じられない光景だった。男子400m障害の予選3組。三つ目のメダルを目指した為末が最初のレースでいきなり夢を絶たれた。「レース前からちょっと違うなという不安があった」。最終コーナーを回り、4位争いから失速していく。ゴール前の直線で両脇から2選手にさされ、まさかの6着でフィニッシュした。
今大会を「僕の人生を懸けた一大勝負」と話していた。「野武士」をイメージした長い付け毛の後ろ髪をなびかせ、7レーンを疾走するはずだった。だが、1台目でハードルを倒した。「自分でも処理しきれない」。ぼうぜんとした表情で言う。何かが狂っていた。
陸上界の「宣伝部長」を自認し、大会の盛り上げに全力投球してきた。5月にはクイズで獲得した1000万円の賞金を元手にしてオフィス街の路上イベントを主催し、ファン拡大に努めた。本業でも昨季はハードルを封印し、ひたすら走力を磨いた。すべては「今大会で世界一になる」ための長期的戦略からだ。
だが7月の欧州遠征で不調に陥り、予定を切り上げて日本で調整をやり直した。世界選手権用の「秘策」として考えた、後半にハードル間の歩数を減らす新走法も未完成だった。不完全燃焼。タイムで拾われ準決勝に進んだ選手とはわずか0秒01の差だった。
【男子】
▽砲丸投げ決勝
| (1)リース・ホッファ(米国) | 22m04 | |
| (2)ネルソン(米国) | 21m61 | |
| (3)ミフネビッチ(ベラルーシ) | 21m27 | |
| (4)スミス(オランダ) | 21m13 | |
| (5)マエフスキ(ポーランド) | 20m87 | |
| (6)ボドブニク(スロベニア) | 20m67 | |
| (7)バルテルス(ドイツ) | 20m45 | |
| (8)ビアロウ(ベラルーシ) | 20m34 |
【女子】
▽1万m決勝
| (1)ティルネッシュ・ディババ(エチオピア) | 31分55秒41 |
| (2)アベイレゲッセ(トルコ) | 31分59秒40 |
| (3)ガウチャー(米国) | 32分2秒05 |
| (4)ペービー(英国) | 32分3秒81 |
| (5)スミス(ニュージーランド) | 32分6秒89 |
| (6)キャスター(米国) | 32分24秒58 |
| (7)E・ディババ(エチオピア) | 32分30秒44 |
| (8)オンゴリ(ケニア) | 32分30秒74 |
| (10)福士加代子(ワコール) | 32分32秒85 |
| (14)絹川愛(宮城・仙台育英高) | 32分45秒19 |
| (15)脇田茜(豊田自動織機) | 32分48秒68 |
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