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音楽玉手箱
<大ヒット盤> GLAY『SUMMERDELICS』 夏らしく、勢いに任せたポップな作品も

GLAY『SUMMERDELICS』
GLAY『SUMMERDELICS』

亀田誠治との共同制作による通算14作目のオリジナル。19年ぶりの夏のアルバムだが、本作の方が若々しく聴こえる。

まず、全14曲中、『超音速デスティニー』などHISASHIらしい退廃的なロックが大ブレーク前を想起させる。また、夏らしく勢いに任せたポップな作品も多く、TAKURO作詞、JIRO作曲の表題曲はその最たる存在だろう。歌謡ロック調が突如ブリティッシュっぽくなったり、歌詞の隠喩が多かったり、作品のパワーを象徴するようだ。

全体としてTAKURO作に意外なものが多い。TERU以上にがむしゃらな『ロングラン』や、逆にとてもシンプルな『聖者のいない町』など、従来のTAKURO=美メロの印象を覆す。とはいえ、全体で聴くと、新人の勢いも熟練の采配も感じさせる逸品だ。よりハスキーになったTERUの声も、若さと渋さを併せ持つ強みだろう。

DVDは、有名曲だらけのLIVE映像ゆえ、あらためてCDパートの自由さを実感。本CDを聴けば、誰かと刺激しあえる相棒でありたいと思うはず。

(ポニーキャニオン・CD+2DVD盤 5000円+税)=臼井孝



<再ブレーク盤> カノエラナ『カノエ暴走。』 楽しく激しく、でも本当は究極の照れ屋?

カノエラナ『カノエ暴走。』
カノエラナ『カノエ暴走。』

1995年佐賀県生まれの女性によるメジャー3rdミニアルバム。“30秒弾き語り動画の女王”として話題だが、フル音源はもっと楽しい。

全6曲、応援歌風の『私立カノエ厨学校校歌』や、少女漫画のようなオチのある『ダイエットのうた』などコミカルな映像を想起するものが多い。

最も衝撃なのは『たのしいバストの数え歌』。「ABCDEFG」と歌う英語の授業でお馴染みの『きらきら星』の旋律に、「あの子はBカップ」「私は本当はAカップ」と女子の虚栄合戦の歌詞を乗せ軽快に歌い放つのだ。

また、『SNS』でのシリアスな歌声も大きな魅力。「SNSを泳いでる」「SOSは届かない」と自由と不自由を対比させつつ、激しくかき鳴らすアコギが印象的なロックチューンで、鋭い視点にも負けず劣らず、歌い手としての奥行きを感じさせる。

それなのに、自虐ラブソングの『バレンタインのうた』で本編を閉めるあたり、究極の照れ屋なのかも。本作を聴けば、意外な一面を見つけるまで、人を安易に判断できないと思うはず。

(ワーナー・1500円+税)=臼井孝



<隠れた名盤> 石川さゆり『X-Cross III-』 異分野との交流が実を結ぶ

石川さゆり『X-Cross III-』
石川さゆり『X-Cross III-』

石川さゆりがポップス系アーティストとの共演や楽曲提供でコラボをする企画のシリーズ第3弾。

全9曲、レキシの池田貴史が『風の盆恋歌』のような狂おしいラブソングに挑んだ『くのいちもんめ』や、矢野顕子流のシンプルなメッセージが光る『ほめられた』など、石川が自ら築いてきた世界と共演者の間を自由に往来している。それゆえ、静寂と情熱の対比が見事な森友嵐士作のバラード『京恋唄』や、大江千里らとのジャズ・セッションによる『ワインを選んで』など、本企画らしい作品が並ぶ。

出色は、小渕健太郎による『春夏秋冬』か。コブクロらしく季節ごとの叙情的な風景を、時に穏やかに、時に可愛らしく歌い、ラストは森羅万象が宇宙に吸い込まれるかのごとくスペクタクルに絶唱する。石川の中でも超高難度の名曲が誕生した。

他にも、里花によるフォーク調の『ほんとうのこと』なども新鮮。異分野の人と交流する際、互いが日頃から鍛錬していれば、より楽しい機会になることを本作から学ぶはず。

(テイチク・2315円+税)=臼井孝



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