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音楽玉手箱
<大ヒット盤> Anly『anly one』 多様な歌声に圧倒される

Anly『anly one』
Anly『anly one』

97年沖縄県伊江島生まれの女性シンガーソングライターの初アルバム。“only one”と掛けたタイトル通りの逸材だ。

全14曲、多彩な曲調や、それに合わせた多様な歌声に圧倒される。例えば、『太陽に笑え』のようなブルース・ロックでは、早口でまくし立てる歌声が力強いし、『サナギ』のような穏やかなポップスでは、優しいクリアな歌声が際立つ。前者は、Superfly、後者はANRIを想起させ、かなり上の年代まで好かれそうだ。

また、歌詞のメッセージ性にも惹かれる。『FIRE』での「熱くなって 身を削られても 人を愛す」は彼女の音楽スタンスだと確信するし、『いいの』では叶わぬ恋心を「いいの」と何度も自分に言い聞かせる際に、伸び伸びと歌い上げるのが斬新で何度も聴きたくなる。

スキマスイッチとのコラボ曲『この闇を照らす光のむこうに』も、まさに“闇”と“光”の対比を意識した緩急ある曲調や歌声が上手い。彼女の歌声を聴けば、同じ言葉でも相手や状況に応じて伝えたいと思うはず。

(ソニー・2700円+税)=臼井孝



<ブレーク盤> 井上実優『Boogie Back』 直球勝負のポップス

井上実優『Boogie Back』
井上実優『Boogie Back』

97年福岡県出身の女性ボーカリストのデビュー・シングル。00年前後のクリスティーナ・アギレラやDREAMS COME TRUEを想起させる作風で、最初は「なぜ、今の時代に?」とやや謎だったが、逆に今ならここまで直球勝負のポップスは新鮮だし、何より彼女の強みを活かせると納得した。

表題曲は、アニメ『ドラゴンボール超』のテーマ曲にもなっている勢いのあるダンスポップスだが、そのままかつての武富士のCMにも使えそうなほど、タイトでパワフルな歌声がハマっている。

カップリングは、よりブラック・ミュージック寄りのダンサブルな『Slave』と、壮大なバラードの『I will be your love』を収録。どちらも19歳とは思えない安定感があり、平原綾香のデビュー当時を想わせる。

CDやDVDでは披露されていないものの、実際は歌のみならずダンスも頑張っているようで、今後の成長が楽しみな存在だ。本作を聴けば、流行に左右されない良いものを堪能したいと思うはず。

(ビクター・初回限定盤CD+DVD 1800円+税)=臼井孝



<隠れた名盤> 森昌子『みぞれ酒』 演歌の大作曲家、岡千秋との初タッグ

森昌子『みぞれ酒』
森昌子『みぞれ酒』

デビュー45周年記念の第2弾。第1弾は加藤登紀子プロデュースにより『難破船』や『百万本のバラ』などメロディアスな新境地に挑んだが、今回は、演歌の大作曲家、岡千秋との初タッグ。レコード会社移籍後の自己最高のシングル売り上げを更新し続けている。

表題曲は、愛を失って酒にすがるマイナー調の演歌で、森昌子版『悲しい酒』といったところか。別れを悔やみつつも相手への恨みを感じさせないのは、森の繊細な歌声に拠る所も大きいだろう。

カップリングの『そんな恋酒場』は、一度きりの人生を楽しもうという“オバちゃんパワー”全開の歌謡ポップス。酒をテーマに、深い悲しみも、底抜けな陽気も表現したこの2曲自体、彼女の生き様が反映されているようで感慨深い。

ここ数年は、阿木燿子・宇崎竜童コンビの歌謡ロックや、映画音楽のカバーなど、精力的な作品が多い彼女。一連の森昌子作品を楽しめば、多少の不運に遭ってもやがて来る幸運を信じられるはず。

(キング・1204円+税)=臼井孝



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