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音楽玉手箱
<大ヒット盤> 鬼龍院翔『オニカバー90's』 90年代のヒット曲をカバーした好企画

鬼龍院翔『オニカバー90's』
鬼龍院翔『オニカバー90's』

最近は、入門的ベスト盤の低価格発売や、シングル曲の無料配信でも、常識と闘い続けるゴールデンボンバー。その中心人物である鬼龍院のアルバムも、随分とお値打ち価格だ。

本作は全14曲、すべて1990年~96年のヒット曲に限定したカバー集。どれも、原曲への愛にあふれた高らかな歌い上げで、付属のLIVE映像でもいつもの寸劇的な演出は皆無で、その真剣さに感心する。

特に、憂いを帯びた曲が上手い。『ズルい女』は勿論、『何も言えなくて・・・夏』のやるせなさも説得力があるし、尾崎豊『I LOVE YOU』も、緩急をつけて歌うからこそ男の弱さがよく分かる。

ただ、原曲風の編曲ながら演奏が原曲よりもややチープで、彼の“一人カラオケ”を聴いている気分にもなる。親近感を沸かせる為の演出かもしれないが、今回の歌唱に見合った豪華な演奏でも聴いてみたい。

ともあれ好企画なので、続編として女性曲中心のカバー(例えば彼が尊敬する中島みゆきなど)なら、より意表を突くのではと期待する。本作を聴けば、普段コミカルな人の真面目な部分をより強く意識するはず。

(Zany Zap・CD+DVD 2500円+税)=臼井孝



<再ブレーク盤> 薬師丸ひろ子『Best Songs 1981-2017 ~Live in 春日大社~』 約30年ぶりのライブ盤

薬師丸ひろ子『Best Songs 1981-2017 ~Live in 春日大社~』
薬師丸ひろ子『Best Songs 1981-2017 ~Live in 春日大社~』

近年、歌手活動に精力的な大女優の約30年ぶりとなるLIVE盤。初回盤はその映像版や井上陽水との対談を収録したブックレット付きで見応えも読み応えもあるが、音楽中心の通常盤でも十分に酔える。

本編の14曲は、実際のLIVEの曲順とは異なり、ほぼ年代順での収録。それゆえ、発売当時の記憶と共に、不変と変化の対比が浮き彫りになる。具体的には、原曲の音の高さやバンド演奏部分、さらに透明感ある歌声を維持しつつ、慈愛に満ちた表現など歌詞の深みが増しているのだ。また、弦楽器隊や野外ゆえの音響が、荘厳な雰囲気を増幅しているのも良い。特に、『探偵物語』や『語りつぐ愛に』は、まるで現在の彼女に当て書きしたかのような名曲だと実感する。

追加トラックは、井上陽水の書き下ろし『めぐり逢い』のスタジオ録音。彼女のムーディーな声が、好きな人と夢の中だけで出逢えることにも希望を抱かせる。本作を聴けば、大人向けの質の高い様々な文化をもっと楽しみたくなるはず。

(ビクター・3000円+税)=臼井孝



<隠れた名盤> ペギー葉山『ベストセレクション2017』 そのルーツはジャズやポピュラーソングと実感

ペギー葉山『ベストセレクション2017』
ペギー葉山『ベストセレクション2017』

83歳での逝去1週間前に発売されていた2枚組は、生涯現役だったことがよく分かる構成。

Disc1は、2007年のLIVE音源を収録。全13曲中過半数が英語曲だが、朗々とした歌唱が魅力の日本語曲に比べ、よりファンキーで、よりセクシーな歌声に驚く(当時73歳!)。あらためて彼女のルーツはジャズやポピュラーソングだと実感した。

Disc2は、全12曲中11曲がスタジオ録音で、2016年のラスト・シングル『おもいでの岬』や2012年のシングル・カップリング曲だった『夢の坂道』など近年の穏やかな人生応援歌が多くて癒やされる。また、90年代のデュエット『夏の終わり』も、石原慎太郎が意外に美声で興味深い。

後半4曲は、『ドレミの歌』をはじめ、映画『サウンド・オブ・ミュージック』関連。ラストの『すべての山に登れ』は2012年のLIVE録音で、その精進し続ける姿勢を体現したような歌声に心打たれる。

本作を聴けば、年齢のせいにしないベテラン達の凄まじい努力が見えてくるはず。

(キング・2CD 3704円+税)=臼井孝



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