
ケミカル・ブラザーズ『DON’T THINK -LIVE AT FUJI ROCK FESTIVAL-』
毎年、新潟県・苗場スキー場で開催される夏の風物詩、フジロック・フェスティバル。英マンチェスターの電子音楽ユニット、ケミカル・ブラザーズが初のライブ映像作品の舞台に選んだのは、震災後に行われた2011年7月31日のフジロック公演だった。
「DON’T THINK(考えるな)」のタイトルそのまま、観客の体を無意識のうちに揺り動かし、歓声を上げさせるトム・ローランズとエド・サイモンズの音楽、そして巨大スクリーンに映し出されるアダム・スミスの映像との融合がすばらしい。名曲『スウーン』『スター・ギター』も聴ける。20台のカメラを用いて、約5万人の観客のうち数人にクローズアップしてみせたり、会場から離れた場所にある野外食堂などの風景も取り入れたりと工夫がある。
画面いっぱいに日の丸を映し出したラストは、2人の日本への想いが伝わってくるようだ。自然の中、広い空の下で好きな音楽に浸れる快感は何にも代え難いが、映像でも熱気は感じられる。DVDと同じ内容のCD付き。
(EMI・初回生産限定盤4200円)=小西樹里

岡村靖幸『ライブ エチケット』
“岡村ちゃん”の愛称で親しまれる、“シンガーソングライターダンサー”岡村靖幸が昨年渋谷で行ったライブを収録。覚せい剤取締法違反の容疑で3度の逮捕、2度の収監を経ての復活となるが、待ちわびたファンのワクワク感が会場に満ちあふれているかのようだ。
一時期のふっくらした体形はすっかり元通りになって、プリンスの影響というブレークダンスにもキレがある。『聖書(バイブル)』『あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう』といった懐かしい曲も新鮮に響く。ちょっと軽薄で哀しい男の気持ちを歌わせたら、今この人の右に出る人はいないのでは。ダンスなしで歌うバラード曲『カルアミルク』の最後にさりげなく「逢いたかったぜ」。何があっても戻って来ずにいられなかったアーティストとしてのサガをかいま見たような気持ちになった。
今年はライジングサンなどの夏フェスにも登場するとのことで、ますます表舞台で歌って踊ってくれることを期待したい。
(V4 RECORD・4980円)=小西樹里

『YUKI VIDEO 3』
今年5日6日、ソロデビュー10周年を記念する東京ドームライブを行ったYUKI。バンドとソロの両方で東京ドーム公演を達成したのは女性アーティストでは初となる。JUDY AND MARY(ジュディマリ)というバンドで博した人気をソロでも保っているのは、ファンも共に年月を重ねてきているからだろう。
ビデオ・クリップ10曲を収録。40歳という年齢を感じさせないベビーフェイス、『汽車に乗って』ではひらひらのスカートでダンス、『Hello!』では短パン姿で馬跳びするYUKIのかわいらしさには、“美魔女”“40代女子”などの言葉もかすむ。監督に遊ばれている感じがせず、むしろ先頭を切って楽しんでいる印象。『うれしくって抱きあうよ』『世界はただ、輝いて』など、人生とこの世界を慈しむ愛の歌が持ち味だ。
その他、メーキングとテレビ用の宣伝映像も細かく収録されている。1曲に何バージョンもの映像を作るんだなと変なところで感心した。
(Epic・3990円)=小西樹里
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