音楽玉手箱
「大ヒット盤」GReeeeN『縁』 タイアップの11曲はターゲットを逃さない

GReeeeN『縁』(通常盤)
GReeeeN『縁』(通常盤)

通算7作目のオリジナル。歯科医師との両立のため、一度もTVに姿を見せていないままで、人気を維持しているのが見事だ。

全12曲中11曲がタイアップ付きだが、献血キャンペーン曲の『ビリーヴ』では、諦めないことの大切さを歌ったり、お茶のキャンペーン曲『夏の音』では、夏の午後を彷彿させる演奏や優しい歌声だったり、どの曲もターゲットを逃さない緻密な作りに感心する。

中でも、出色が8曲目の『始まりの唄』。新居での夢追いを応援する楽曲だが、ミディアム調で穏やかに始まってサビで一気に高揚する様子や、声質の異なる4人が代わる代わるにメッセージを乗せる点など、まるで青春群像劇のようで、これぞデビュー時からのGReeeeN流だと実感した。

ちなみに初回盤では、4人のソロ曲が追加収録されているので、それぞれの声の魅力に浸りたい人にオススメ。本作を聴けば、ファンとアーティスト、好きな人同士など、離れていても繋がっている感覚を味わえるはず。

(ユニバーサル・2778円+税)=臼井孝

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「再ブレーク盤」岡村孝子『DO MY BEST II』 成長ぶりが発見できる28曲のベスト盤

岡村孝子『DO MY BEST II』
岡村孝子『DO MY BEST II』

ソロ活動30周年記念盤。約14年ぶりのオールタイム・ベストだが、前回との重複が1曲もないことも本人の選曲ゆえだろう(『夢をあきらめないで』も2011年版)。

全28曲、ほぼ年代順の収録ゆえ、作家として、また歌手としての成長ぶりが発見できる。内省的なのに赤裸々な歌詞と清涼感漂う演奏の取り合わせが絶妙なdisc1と、同じ優しい声でも穏やかな語り口調や前向きな歌詞の多いdisc2とは対照的で、大ヒット期よりもむしろ近年の方が充実しているように感じる。

特に、新録音の『暁の空』は、10年前の原曲よりも苦境を乗り越える勇気が伝わるし、辛島美登里や平松愛理がコーラスで参加した新曲『Hello』は、一緒に楽しみながら歌う余裕すら見える。要するに、生きる喜びが深くなっているのだ。

公式で発売された全アルバムへの本人解説や懐かしい写真も豊富なので、ブックレットを楽しんでから聴いてみるのも一興だろう。本作は、過去の自分を解き放つキッカケをくれるはず。

(ヤマハミュージックコミュニケーションズ・3500円+税)=臼井孝

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「隠れた名盤」川島ケイジ『KEIJI』 第一声からタダモノじゃない雰囲気

川島ケイジ『KEIJI』
川島ケイジ『KEIJI』

和歌山県出身のシンガー・ソングライターの初メジャー作。1曲目『夜の向う側』の第一声、「消えなーいで」と発しただけでもタダモノじゃない雰囲気が漂う。真っ先に玉置浩二が思い浮かぶが、単に声質が似ているのではなく、熱の波動が飛び込んできそうな様が共通しているのだ。

全5曲中、最初と5曲目『結~yui』が自作で、中間3曲がカバーという編成。静と動のコントラストが際立った歌唱の『Woman“Wの悲劇”より』や串田アキラ級に激しい『バン・バン・バン』も良いが、彼を推薦するChageとのデュエット『夏の終りのハーモニー』が特に胸に焼きつく。想いが迸る川島の声も良いし、Chageが爽やかな声を制御しながら、川島、ひいては楽曲の魅力を最大限に引き出している。

オリジナルの2曲は、アップテンポとバラードだが、どちらも日本語の響きや、人の温もりを大切にする姿勢が伝わってくる。本作を聴けば、眠らせていたかつての夢を思い起こすはず。

(ユニバーサル・1852円+税)=臼井孝

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