音楽玉手箱
<大ヒット盤>家入レオ『5th Anniversary Best』 一人の女性の成長の軌跡

家入レオ『5th Anniversary Best』
家入レオ『5th Anniversary Best』

17才でデビューした女性シンガーソングライターの初ベスト。本編の16曲は、すべてタイアップありきの楽曲だが、一人の女性の軌跡としても自然に遡ることが出来る。

最新曲『それぞれの明日へ』からの3曲は、いずれも元Superflyの多保孝一らしい空を抜けるような曲想で、家入が歌うと、同世代の皆と力を合わせて進もうという雰囲気が強く出ている。

大ヒット曲『君がくれた夏』以降は全曲、彼女の師である西尾芳彦との合作だが、満たされぬ想いをぶつけるように激しく歌う『純情』や『Bless You』、真っ直ぐな想いを切なく歌う『チョコレート』や『君に届け』など、初期の作品ほど、見えない何かと闘っているようだ。その結果、導いた一つの答が冒頭の3曲なのだろう。

DVDは、昨年末のLIVE映像を収録。デビュー当時の孤独な曲も明るい曲も、表現力が格段に増して輝かしい。本作から、彼女の成長を通して、明けない夜はない、ということを体感するはず。

(ビクター・初回限定盤A CD+DVD 4900円+税)=臼井孝

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<ブレーク盤>佐藤広大『スノーグローブ』 心を温かくする人懐こい声

佐藤広大『スノーグローブ』
佐藤広大『スノーグローブ』

札幌市在住の男性ボーカリストのメジャー・デビュー作。北海道ではインディーズ時代から既にTOP10入りし、ラジオのレギュラー番組も複数持つほどの人気者だ。

表題曲は、雪の降る街に住む“僕”とこれから旅立つ大切な人への変わらぬ想いを歌う。冬の寒空を描いているのになぜか心が温かくなるのは、彼の人懐こい声による所が大きいだろう。

カップリングの『Diamond Dust feat.EXILE SHOKICHI』は、EXILEが得意としてきた流麗なサウンドに、夢を追い続ける決意を込めたミディアム・バラード。特に後半で、SHOKICHIと広大がメインとサブのパートを代わる代わる熱唱する様子に、同じ道を歩んできた友ならではの相性の良さや、互いに切磋琢磨していこうという誓いが漲るようだ。

DVDの映像からは、ナオト・インティライミの北国版(?)とも言えそうな人柄の良さも伝わる。本作から、たとえ厳しい状況にいても、誰かを信じることで救われることを教えられるはず。

(ビクター・CD+DVD初回限定盤1667円+税)=臼井孝

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<隠れた名盤>ヒグチアイ『百六十度』 圧巻のピアノ弾き語り

ヒグチアイ『百六十度』
ヒグチアイ『百六十度』

平成元年生まれでピアノ弾き語りを中心に編曲もこなす女性シンガーソングライターのメジャー・デビュー作。タイトルは、人間の視野の範囲外を意味するそうで、まさに本作を象徴する言葉だ。

1曲目の『誰かの幸せは僕の不幸せ』以降の全11曲、相手を想うがゆえに言えない想いを綴った楽曲がとても多く、他方、『猛暑です』のように赤裸々な恋愛描写もあり、“こう言えばもっと好かれるのでは”と助けたくなるほど不器用な人物像が浮かぶ。しかし次第に、器用な人は幸せなのかと問われているようにも聞こえる。

圧巻はピアノだけで歌った『備忘録』。歌うようになった理由や上京後の心境が自伝風に綴られているが、静かな前半から一変しラストで「どうか自分よ忘れるな」と絶唱する姿に、自分の“百六十度”を見つめ直したくなった。

シンプルな演奏や繊細な声は片桐麻美や矢野絢子を想い出した。本作を聴けば、自分が傷つかぬ為よりも、他人を傷つけぬ為の言動を意識するようになるはず。

(テイチク・2315円+税)=臼井孝

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