音楽玉手箱
ケシャ『レインボー』 全てのプレッシャーから解放された真実の歌

ケシャ『レインボー』
ケシャ『レインボー』

LA生まれナッシュビル育ちの30歳。ソングライターである母親の影響で多くの音楽に親しみ、当初はソングライターとしてそのキャリアをスタートさせました。彼女を見いだしたプロデューサー、ドクター・ルークのもと2010年にリリースした『ティック・トック』が全米シングルチャートで9週連続1位に、デビューアルバム『アニマル』も初登場全米1位に輝きました。

全てが順風満帆に見えたのですが、そのドクター・ルークに精神的、肉体的なハラスメントと理不尽な契約、活動を強いられたと訴訟を起こした彼女。結果ルークがソニーから離れ、全てのプレッシャーから解放されて制作したのがこの3作目です。

強制されていたポップサウンドや軽薄な詞に決別し、ロック、ソウルのサウンドに乗せたパワフルな歌唱で弱者やマイノリティーを支援しています。トランプ大統領の女性蔑視発言に対しては反論し、ルークには怒りではなく許しと自分を強くしてくれたことへの感謝、そして決別を歌っています。

(ソニー・ミュージック・2200円+税)=北澤孝

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ジャック・ジョンソン『オール・ザ・ライト・アバブ・イット・トゥー』 環境だけでない世界の危機をメッセージ

ジャック・ジョンソン『オール・ザ・ライト・アバブ・イット・トゥー』
ジャック・ジョンソン『オール・ザ・ライト・アバブ・イット・トゥー』

ハワイ・オアフ島のノースショア生まれの42歳、ジャック・ジョンソン4年ぶり通算7枚目のスタジオ・アルバムです。彼の音楽は90年代に始まったスローライフ、ロハスと言った環境にやさしいライフ・スタイルをサウンドで表現したものといえます。サーファーであった彼は99年サーフィンのドキュメンタリー映画を製作するなかで、サーファーの心を表現する音楽がロックだけではないとアコースティックなサーフ・サウンドを作りました。

以降ヒット曲を量産する音楽業界に背を向けた彼の姿勢は一貫しています。環境保護活動においても精力的に活動。このアルバムジャケットには海洋汚染の原因になるプラスティックごみを並べて抗議、さらにシングル曲「マイ・マインド・イズ・フォー・セール」では「パリ協定」を一方的に離脱しアメリカ第一主義を唱えるトランプ大統領の言動に対する危惧を歌っています。詞を書いた積み木で壁を作りそれを壊すといったミュージック・ビデオも必見です。

(ユニバーサル・2500円+税)=北澤孝

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デクラン・マッケンナ『ホワット・ドゥ・ユー・シンク・アバウト・ザ・カー?』 理解できない現実を直視した世代の声

デクラン・マッケンナ『ホワット・ドゥ・ユー・シンク・アバウト・ザ・カー?』
デクラン・マッケンナ『ホワット・ドゥ・ユー・シンク・アバウト・ザ・カー?』

ジェネレーションZ、つまり1990年半ば以降に生まれた世代がデビューしてきました。デジタル・ネイティヴとも言われる彼らの特徴は、今ある情報が発想の原点であり、これまでの概念やシステムにとらわれないところにあります。

ご紹介するデクランは1998年イギリス生まれの18歳。8歳から曲作りを始め15歳にして100曲を自宅レコーディングしたと言う才能。2014年に書いたシングル「ブラジル」はFIFAの汚職とワールドカップが行なわれたブラジルの隠された社会問題を歌ったもの、ネットで拡散しデビューに繋がりました。

ただ彼には過去の価値観を否定するZ世代と違った点がありました。それはデヴィッド・ボウイが憧れのアーティストであり、コンピューターではなくギターで音楽作りをしていたということです。政治的な理由で社会批判するのではなく、彼の目から見て理解できない現実を率直に歌った彼の歌に“今”だけではない普遍性を感じる理由はそこにあるのです。

(ソニー・ミュージック・2200円+税)=北澤孝

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