音楽玉手箱
<大ヒット盤> 清水翔太『FLY』 甘く穏やかな雰囲気を醸し出す、音楽のマエストロ

清水翔太『FLY』
清水翔太『FLY』

通算7作目となるオリジナル。歌い上げることも、リズミカルにラップをこなすことも出来る類まれな人だと、あらためて感じた。

全12曲、夢に挑み続ける姿や、人を愛する心情が綴られているが、打ち込み中心の演奏と、程よく加工された歌声ゆえ、タイトル曲のような熱いメッセージソングですらリラックスしながら聴ける。

また、『My Boo』は、相手への一途な想いや自分の不安など赤裸々な歌詞だけ読むと、がなり声でのヒップホップ系の楽曲のようだが、実際はスムージーで甘い雰囲気に包まれる。さらに、『milk tea』のような、まったり系のラブソングでは、素直に歌うことで穏やかな雰囲気を醸し出す。まさに、音楽のマエストロといったところだ。

ラストには、低音でのラップと、高音での歌声が交差する『Tokyo』を収録。孤独と闘ってきた上京後の生活が描かれていて、冷静でいても、決して冷めておらず、それがカッコいい。本作は、現代における円滑なコミュニケーションのヒントにもなるはず。

(ソニー・CD+DVD初回限定盤3900円+税)=臼井孝



<ブレーク盤> I Don’t Like Mondays.『SUMMER』 夏らしい楽曲に“いい大人”がハマりそう

I Don’t Like Mondays.『SUMMER』
I Don’t Like Mondays.『SUMMER』

86年~89年生まれの男性4人組バンドによる7曲入り作品。本作は、前半3曲の新曲と後半4曲の過去音源から構成されており入門編としても最適だろう。

文字通り夏らしい歌詞や爽快なメロディーの楽曲が並んでいるが、ギターロックあり、EDMあり、ディスコ風のポップスに、日本語も英語も同程度出てくるのがFMラジオを聴いている感覚に近いので、意外と“いい大人”の方がハマりそうだ。

1曲目『On my way』のように夢追いを語る際はバンドサウンド、2曲目『Shape of love』のようにストレートなラブソングは英語のダンスポップスと使い分けている点に、実は言葉を丁寧に届けようとするからこそ、様々な音楽要素を駆使しているようにも感じた。

後半の『WE ARE YOUNG』や『MEMORIES』は、夏フェスでも観衆と一体となって大合唱が起こりそうなパートがあり、こういった演出も心ニクい。本作を聴けば、開放的な夏だからこそ、ふだんとは異なる人と逢えるチャンスだと実感するはず。

(日本コロムビア・1600円+税)=臼井孝



<隠れた名盤> つるの剛士『君にありがとう』 これまでの日々に感謝を込めるように歌う

つるの剛士『君にありがとう』
つるの剛士『君にありがとう』

通算6作目となるシングル。その飾らない性格から、家族思いという印象のある彼だからこそいっそう胸に響く。

NHKラジオ『深夜便のうた』にも起用された表題曲は、都倉俊一が作詞・作曲・編曲を手がけたバラード。出逢いから、二人で歩んだ道のり、不安や後悔の日々など一つ一つに対し、感謝を込めるように歌われている。少しハスキーな声が、家族の歴史や人生の秋を感じさせ、しんみり聴く人も多いことだろう。

カップリングの『うたのちから』は、絵本作家でもある新沢としひこ、中川ひろたか、さらに演奏家の中村圭作とつるの本人が合作した子どもも楽しめそうなポップなナンバー。繰り返される「うたのちから きっときっとある いまここに」というフレーズから、どんな世代でも夢や未来を信じられそうだ。

実際に歌を贈りたい人向けなのか、『君にありがとう』のピアノ伴奏も収録。本作を聴けば、言葉とは、日頃の行いを通した意味で伝わるものだなあと実感するはず。

(ポニーキャニオン・1204円+税)=臼井孝



アラーキーの幸福写真
乃木坂/ギャルママ(下)

    スタジオでの撮影が続く。17歳で長男を出産した大工原里美さんは、3人の子どもとカメラ…