モータースポーツ
日本人ドライバーのF1での活躍を再び見たい ハミルトンの母国GP勝利に思う

母国で行われた英国GPで4連覇を果たし喜ぶルイス・ハミルトンと熱烈に祝福する観客=メルセデス・AMG・F1
母国で行われた英国GPで4連覇を果たし喜ぶルイス・ハミルトンと熱烈に祝福する観客=メルセデス・AMG・F1

どのようなスポーツであれ、母国で開催される大会で同胞が活躍したら盛り上がるものだ。2020年に開かれる東京五輪・パラリンピックでは日本人選手の活躍が大いに期待されているが、ある意味でそのスポーツが盛り上がるかどうかは活躍する同胞がいるかどうかに掛かっている、と言っても過言ではないだろう。

今季のF1も中盤を迎え、16日には英国グランプリ(GP)の決勝が行われた。1950年にF1が初めて開催された伝統の一戦は日本人にとってもなじみが深い。ホンダエンジンを搭載したウィリアムズとロータスが1~4位を独占した87年の同GPで、日本人初のレギュラードライバーになった当時ロータスの中島悟がF1での自己最高成績となる4位を手にしているのだ。

そして、英国GPは地元ドライバーによる優勝が多い。同GPが長く高い人気を維持し続けているのも、英国出身のドライバーが活躍しているからだろう。55年のスターリング・モスに始まり、62年から65年まで4連覇を飾ったジム・クラーク、86年、87年、91年、92年と4度勝利したナイジェル・マンセル。94年のデイモン・ヒル、95年のジョニー・ハーバート、99年、から2連覇したデービッド・クルサードなど…。日本でも同様だ。2012年の日本GPで3位に入った当時ザウバーの小林可夢偉が表彰台に上がったときには、「可夢偉」という大きなコールでグランドスタンド全体が包まれた。

そして、今年の英国GPで5度目の母国優勝を果たし、ジム・クラークに並ぶ4連覇を達成したルイス・ハミルトン(メルセデス)は、間違いなく英国のヒーローだ。何しろ、優勝に加え、ポールポジション(PP)、ファステストラップ(最速周回タイム)、全周回1位を記録するという「グランドスラム」で圧勝したのだから、そのアピール力は圧倒的だ。日本ならば、ヤクルトの山田哲人がプロ野球史上初めて、2年連続でトリプルスリー(打率3割、本塁打30本、盗塁30個)を成し遂げた時の熱狂を思い出すと分かりやすいかもしれない。

ここ数年、F1人気の低迷が言われていたが、米メディア大手であるリバティメディアがF1シリーズの運営会社を買収してから、確実にF1人気は復調の兆しがある。ロンドンでのF1デモ走行を始めとする数々の米国的演出が効果を生んでいることは間違いない。だが、何よりも母国GPに臨むドライバーやチームを大事にし、そのアピールに協力している点が大きい。そして、そこで生まれる独特の熱狂が多方面に波及することはF1人気を再び高める切り札になるはずだ。

だからこそ、願わくばできるだけ早く、再び表彰台を争う日本人ドライバーの姿が見たい。(モータージャーナリスト。田口浩次)


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