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洞口依子・のら猫万華鏡

カセットテープとの再会と「やり残すことのない人生」

 リチャード・リンクレイター監督の『エブリバディ・ウォンツ・サム!!世界はボクらの手の中に』(公開中)という映画に久々熱くなった。  南テキサス大学の野球部員が繰り広げる、1980年の新学期が始まるまでのたった3日間の物語だ。    冒頭、新入部員のジェイクが愛車「オールズモビル442」を転がしながら大学の街にやって来る。  車のラジオカセットからは、当時全米ビルボードチャート連続第1位のヒット曲「マイ・シャローナ」が流れ、後部座席にはプレーヤーやレコード、カセットが積まれているのが目立つ。野球部員なのに!  映画はそこから大学が始まる3日間、ずっとお楽しみ三昧の彼らを物語る。  シュガーヒル・ギャングの名曲に乗せて野球部員たちのラップが始まると、もうこの映画がどこへ流れようが、そのままついてゆこうという気分にすらなってしまう。  劇中に流れる音楽がとてもいい。  79年から80…[続きを読む]

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アメリカンドリームとトランプショック

アメリカンドリームとトランプショック

11月10日

 人がアメリカ、つまり「合衆国」と言ったとき、いったい何を思い出すのか。  摩天楼? ハリウッド? 荒野で何千頭もの牛を追うカウボーイ?  いろいろあるだろうけど、私はドライブインシアターとそこに並ぶ鮫の尻尾が生えたみたいな大きな自動車、その中で抱き合うカップル。  …[続きを読む]

不思議な映画と宮古島での出来事

不思議な映画と宮古島での出来事

10月20日

 たまに、不思議な映画体験を通じて、意識の下に眠っている(あるいは眠ったフリをしている)何かがムクリと目覚める時がある。  この秋公開の『彷徨える河』(チロ・ゲーラ監督)がそうだった。   20世紀初頭と中盤に、アマゾン奥地に足を踏み入れた二人の実在した白人探検家の手記に…[続きを読む]

私の中の『ザ・ビートルズ』

私の中の『ザ・ビートルズ』

10月12日

  『ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK―The Touring Years』(2016年 ロン・ハワード監督)を観た。  映画は、ビートルズがリバプール時代から最後のアメリカ公演までの1962年から66年までを軸に繰り広げられるライブドキュメンタリーだ。 …[続きを読む]

洞口依子

洞口依子(どうぐちよりこ)

女優。1980年、「週刊朝日」11月7日号の表紙を飾り、雑誌「GORO」で篠山紀信の「激写モデル」として芸能界デビュー。85年、映画「ドレミファ娘の血は騒ぐ」(黒沢清監督)の主役に抜擢された。この時共演した伊丹十三監督の「タンポポ」「マルサの女2」に出演。テレビドラマでは92年の「愛という名のもとに」(フジテレビ)、97年の「ふぞろいの林檎たち」(TBS)などで個性的な演技を披露し、女優としての地位を確立した。2004年に子宮頸がんを発病したが克服し、06年に復帰。07年には闘病生活を綴った「子宮会議」を発刊。女優業の傍ら、ウクレレバンド「パイティティ」でライブ活動もしている。週刊文春「シネマチャート」連載中。