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洞口依子・のら猫万華鏡

映画『ハクソー・リッジ』の舞台前田高地を訪ねて~後編~

 桜咲く2月下旬の沖縄。  わたしを乗せた車は、旧軍道5号線(現在の国道330号線)を、那覇の新都心から北上し、嘉数(かかず)を目指していた。  そして嘉数展望台公園に辿り着いたわたしは、そこで多くの戦跡を巡ることができた。  最初に目にしたのは、民家の塀に残された生々しい銃弾の痕。  この塀は移築してきたものだが、この嘉数での死闘を物語るイントロのように感じた。    そこからさらに急な階段をえっちらほっちら登ってゆくと、柵で入り口を覆われた陣地壕があった。  戦々恐々覗いてみたが、暗くてよくわからない。それにしても、中は相当深そうで、ゴツゴツした琉球石灰岩が醸し出す陰影を見つめていると、とてつもなく恐ろしい気分に襲われる。  地球型の展望台がある下には、慰霊塔がいくつかあった。  京都出身兵士の京都の塔。  青丘の塔は、朝鮮半島出身者の兵士のもの。  島根の塔というものもあっ…[続きを読む]

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映画『ハクソー・リッジ』の舞台前田高地を訪ねて~前編~

映画『ハクソー・リッジ』の舞台前田高地を訪ねて~前編~

07月07日

 映画『ハクソー・リッジ』(メル・ギブソン監督)がやっと日本で公開された。  アメリカでは2016年公開。第二次世界大戦下、武器を持たずして戦ったひとりの米軍衛生兵の実話に基づく作品だ。  日本公開がなぜここまで遅れたのかという謎はさておき、10年ぶりのメルギブ作品。しかもア…[続きを読む]

イスラミックの世界を覗いてみたら

イスラミックの世界を覗いてみたら

06月20日

 子どもの頃から世界中を旅することに憧れを抱いてきた。  いや、旅というよりも、小さな冒険。  地図を広げ、未開の異郷の地へ足を踏み入れるあの緊張感。      やがて大人になり、今ではお金と時間と行動力さえあれば、異文化に触れることもできる。  しかし、最近どうも腰が重い。  …[続きを読む]

ラブドールの世界

ラブドールの世界

06月09日

 先日『今と昔の愛人形』オリエント工業40周年記念展(アツコバルー・東京渋谷にて6月11日まで)をのぞいてみた。  いわゆるダッチワイフと呼ばれた愛玩具など「人と相対し関わりを持つことのできる人形」をモットーに創られた「愛人形・ラブドール」の展覧会だ。  最初に、巨匠・篠山紀…[続きを読む]

洞口依子

洞口依子(どうぐちよりこ)

女優。1980年、「週刊朝日」11月7日号の表紙を飾り、雑誌「GORO」で篠山紀信の「激写モデル」として芸能界デビュー。85年、映画「ドレミファ娘の血は騒ぐ」(黒沢清監督)の主役に抜擢された。この時共演した伊丹十三監督の「タンポポ」「マルサの女2」に出演。テレビドラマでは92年の「愛という名のもとに」(フジテレビ)、97年の「ふぞろいの林檎たち」(TBS)などで個性的な演技を披露し、女優としての地位を確立した。2004年に子宮頸がんを発病したが克服し、06年に復帰。07年には闘病生活を綴った「子宮会議」を発刊。女優業の傍ら、ウクレレバンド「パイティティ」でライブ活動もしている。週刊文春「シネマチャート」連載中。