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洞口依子・のら猫万華鏡

2017年02月13日

私の「沈黙」=後編

私の「沈黙」=後編

 台北入り3日目。  早朝5時20分出発。  ロケバスは台北を出て1時間ほどで、北の海岸線に出た。  ロケ地は「三芝海岸」。  だが、雨で視界が悪く、辺りの様子がいまひとつ把握できない。  朝、到着すると、簡易待合室に「ロケ弁」が用意されていた。  初めてみる台湾の握り飯。それは細長い形状の粽(ちまき)に近いものだった。  珍しかったので一ついただき、カバンに忍ばせた。  まず現場では、スタッフに一枚のメモを手渡した。  私が火あぶりにされる場面で唱えたいと、「祈りの言葉」を原作から抜き出してきたのだ。  しばらくして、別の場面の台詞にある「祈りの言葉」のコピーが配布された。私はそれも覚えるようメモしたが、自分自身で原作から抜粋した〝祈りの言葉〟も走り書きした。  そして、いよいよメイク開始。  細かいメッシュ網に一本ずつ白髪混じりの髪が植え付けられたかつらを被る。これはとて…[続きを読む]

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私の「沈黙」=中編

私の「沈黙」=中編

02月02日

 当初『沈黙』はチーム間において『Lisbon』という名で呼ばれていた。  コードネームだろうか。  Lisbonという名で呼ばれるその映画に参加できることになった私。  早速、台湾入国の査証申請書とともに、出演承諾契約書が届く。  契約書には、同居している家族のサインも求め…[続きを読む]

私の「沈黙」=前編

私の「沈黙」=前編

01月20日

 いよいよ1月21日から公開されるマーティン・スコセッシ監督の『沈黙 サイレンス』。なんと、私もちらりと出演させていただいた。  情報解禁を受けた昨年末から、あちこちに『沈黙』や『Silence』という文字を見つけるたびにニンマリしている。  テーブルの雑誌表紙に『Since…[続きを読む]

平成生まれの成人式と向田ドラマ

平成生まれの成人式と向田ドラマ

01月11日

 今年はあっという間に松が明けた。  そんな気がしてならない。  50を過ぎて年を重ねるという時間の流れのなんと早いこと。  そんな早さに気付かされたきっかけは、今年の成人式だった。  今年の新成人は1997年生まれ、なんとわたしが入籍した年なのだ。  もう20年? …[続きを読む]

洞口依子

洞口依子(どうぐちよりこ)

女優。1980年、「週刊朝日」11月7日号の表紙を飾り、雑誌「GORO」で篠山紀信の「激写モデル」として芸能界デビュー。85年、映画「ドレミファ娘の血は騒ぐ」(黒沢清監督)の主役に抜擢された。この時共演した伊丹十三監督の「タンポポ」「マルサの女2」に出演。テレビドラマでは92年の「愛という名のもとに」(フジテレビ)、97年の「ふぞろいの林檎たち」(TBS)などで個性的な演技を披露し、女優としての地位を確立した。2004年に子宮頸がんを発病したが克服し、06年に復帰。07年には闘病生活を綴った「子宮会議」を発刊。女優業の傍ら、ウクレレバンド「パイティティ」でライブ活動もしている。週刊文春「シネマチャート」連載中。