花まるシネマ
『セトウツミ』 池松壮亮と菅田将暉の旬の輝き

原作は、別冊少年チャンピオンに連載中の同名漫画。ほぼ全編、男子高校生二人(クールな塾通いの内海と元サッカー部でお調子者の瀬戸)が放課後に河原で無駄話をしているだけなのに、多くのファンを持つ。その形式を踏襲し、『まほろ駅前』シリーズの大森立嗣監督が映像化した。

言うまでもなく、会話は絵にならない。でも、だからこそ古今東西の優れた映画作家たちが会話の画面を絵にするために知恵を絞ってきた。とりわけ気骨のあるエリック・ロメールやマノエル・ド・オリヴェイラらは、あえて会話だけで構成し、それでも映画が成立することを証明してみせた。日本の黒沢清も、近年ようやく会話を映画にする面白さに目覚めたようだ。

では、大森監督はどうか? 残念ながら彼は、会話が面白いことと映画が面白いことが全く別の問題であることに気付いていないように思える。だから会話(言葉)自体や、その際の心情を撮ろうとする。そんなものはスクリーンには映らないにもかかわらず。

ネットの公式サイトに、「特報」としてオリジナルのシーンがアップされているが、本編よりもむしろそっちの方が面白いのは、監督の勘違いの作為が入っていないからだろう。言い換えるなら、主演の池松壮亮×菅田将暉の演技は、ちゃんと面白いのだ。本作は、あくまでもこの二人の旬の輝きを見る映画なのである。★★★☆☆(外山真也)

監督:大森立嗣

原作:此元和津也

出演:池松壮亮、菅田将暉、中条あやみ

7月2日(土)から全国公開



『WE ARE YOUR FRIENDS ウィー・アー・ユア・フレンズ』 EDMのDJを夢見る若者の恋愛と友情を描く青春ムービー

(C)2015 STUDIOCANAL S.A. All Rights Reserved.
(C)2015 STUDIOCANAL S.A. All Rights Reserved.

アメリカの若者の間でずいぶんヒットしたというこの作品は、今世界中でムーブメントを起こしているというEDMがテーマ。そもそも「EDM」って一体なんだ?というのはクラブ好きのひと以外であれば誰しもが持つ疑問ではないでしょうか。

これはエレクトロニック・ダンス・ミュージックの頭文字を取った略称で、エレクトロニックサウンドで踊る音楽をさす。現在アメリカでは若者を中心に大ブームとなっており、EDCと呼ばれるパーティーには30万人以上が参加。人気DJともなると1度のパーティーで何億円ものギャラを手にするというのですから、今の若者たちにとってEDMのDJは神様のような存在。ハリウッドスターよりも人気が高いというのですから、本作の主人公がDJを目指すのもよく分かります。観客の心を鷲掴みにし、ある瞬間から音楽を急に跳ね上げ、そこから一気にフロア全体のテンションを盛り上げていくという有名DJのすごさを、目の当たりにさせられました。

そんなDJになることを夢見る若者を演じるのは、ドラマ『ハイスクール・ミュージカル』で一世を風靡したザック・エフロン。好青年のアイドル的なイメージから脱却しつつあるザックですが、本作ではハリウッドからちょっと離れた場所で都会への憧れを抱く若者の姿をリアルに好演。人気DJの一人であるアレッソから直々にDJプレイの手ほどきを受け、DJプレイも披露しています。

圧巻は、数万人というエキストラを招いて撮影されたというパーティーシーン。実際に、アレッソ、ニッキー・ロメロなどといった有名DJも多数参加しているので、夏のパーティーシーズンが来る前にまずは映画でEDMのパーティー体験をしてみてはいかがでしょう? ★★★☆☆(森田真帆)

監督・脚本:マックス・ジョセフ

出演:ザック・エフロン、エミリー・ラタコウスキー、ウェス・ベントリー

6月24日(金)から全国公開



『日本で一番悪い奴ら』 緊張感の中に笑いあり! 大人のための犯罪エンターテインメント

(C)2016「日本で一番悪い奴ら」製作委員会
(C)2016「日本で一番悪い奴ら」製作委員会

1999~2000年に連続して起きた「上申書殺人事件」を基に描き、そのリアルな描写と演出力で話題を呼んだ『凶悪』の白石和彌監督が、デビュー以来3作目に選んだ題材は、2002年に北海道警察で起きた日本警察史上最大の不祥事、「稲葉事件」。

白石監督は、2012年に急逝した若松孝二監督の下で助監督として長く経験を積んだ41歳。『凶悪』では目を背けたくなるような残酷な暴力シーンがこれでもかと続き、「人が人を殺す」という行為がどこまで残酷なのかということを、改めて思い知らされましたが、本作では正義感に溢れていた一人の若い警察官がズブズブと悪に堕ちていってしまう恐ろしさをブラックなユーモアを交えて描きます。

前作があまりにも残酷で救いがなさすぎたので、この作品を観る前はかなり怯えていた私。でも今回は残虐なシーンは本当にわずか。どちらかというと意外なほど声を出してゲラゲラ笑ってしまうシーンがいっぱい。緊張感もありつつそして笑えて、アクションもあり……って、あれ?これものすごく最高に出来のいい犯罪エンターテインメントじゃない!と気がついたのは映画を観終わってから。白石監督だと思って怯えすぎていたようです。

だから映画館で公開されたら、絶対に観に行きたいと思っています。主人公の諸星を演じる綾野剛の演技が本当に素晴らしかった! 最初は、おとなしくて正義感に満ちていた警察官だったはずなのに、キャバクラで女性の胸をもみしだく悪徳刑事の先輩(ピエール瀧がいい味出して演じています)に感化され、ドンドン悪の道にはまっていく。猫のようにおだやかだった諸星が、唾を飛ばしまくって怒鳴り散らし、大暴れしまくる姿は圧巻。ドラッグのシーンはとにかくリアルで、タランティーノ映画の一場面を観ているようでした。★★★★★(森田真帆)

監督:白石和彌

出演:綾野剛、YOUNG DAIS、中村獅童、ピエール瀧

6月25日(土)から全国公開



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