花まるシネマ
『ミス・シェパードをお手本に』 81歳マギー・スミスの素晴らしいツンデレ演技!

(C)2015 Van Productions Limited, British Broadcasting Corporation and TriStar Pictures,Inc. All Rights Reserved.
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自由気ままなおばあさんのホームレスは15年もロンドンの劇作家宅の駐車場に住んでいた―。劇作家のアラン・ベネットが実際に体験した、不思議な話を映画化した作品です。主人公のミス・シェパードを演じるのは実際に舞台で同役を演じた女優のマギー・スミス。なんと、現在81歳の彼女が素晴らしい演技を見せてくれます。

主人公のミス・シェパードはロンドンのお洒落タウン・カムデンのストリートに路上駐車したおんぼろのバンに住んでいるおばあさん。周りの目なんて気にすることなくペンキで車をイエローに塗り替えたりと、うらやましいくらい自由!

近所に住んでいる劇作家のベネットはある日、路駐をとがめられている彼女を見かねて、自分の家の駐車スペースを使うよう提案します。もちろんベネットにしてみれば一時的な対策だったのですが、ミス・シェパードはそこから15年も居座っちゃうのです。やたらとプライドが高くて気難しいミス・シェパードに手を焼きながらも、ベネットは彼女とのやりとりをどこか楽しんでいる様子。本名すらも分からない、謎だらけの彼女に興味を持ち始めます。

二人の間に育まれていく「友情」と確実に進んでいく「老い」、ラストに明かされる彼女の悲しい秘密をゆったりとした時間の流れの中で丁寧に描いた秀作です。遊園地の乗り物に乗ったときと、坂道を車椅子で滑走するときのミス・シェパードのツンデレな表情がかわいすぎました! ★★★★☆(森田真帆)

監督:ニコラス・ハイトナー

出演:マギー・スミス、アレックス・ジェニングス

12月10日(土)から全国順次公開



『変態だ』 見逃しちゃいけない、みうらじゅんの挑戦的青春ポルノ!

(C)松竹ブロードキャスティング
(C)松竹ブロードキャスティング

わたしは、ライターとして活動しているかたわら、別府にある老舗映画館ブルーバード劇場のプログラミングディレクターもしているため、なるべく面白い映画をかけられるよう毎日たくさん映画を観るように心がけているのですが、それでも見過ごしてしまう映画はあります。この映画は、うちの映画館の若い常連さんにリクエストされて観てみた作品。あやうく見逃すところだったので、ちょっぴりへんてこな作品ですがご紹介します!

この作品はCS局「衛星劇場」の日活ロマンポルノ紹介番組でMCを務めていたみうらじゅんによって「みうらじゅんが今見てみたいポルノ映画を作ろう」というコンセプトで企画された異色作。監督は劇場映画監督デビューを果たす安齋肇です。みうらじゅんと安齋さんといえば、「タモリ倶楽部」で夜な夜なタモリさんとやたらとマニアックな話で盛り上がっているちょっと変なおじさんたち! そんなおじさんたちが作った映画は、さすがタモリ倶楽部!とうなりたくなる選曲のよさと、くだらなさが絶妙にミックスされている「青春ロックポルノ作品」。でも今年の東京国際映画祭で公式上映された「ちゃんとした」映画です。

学生時代からの女といつまでも体の関係を断てないバンド男の主人公が、冬の雪山で妻、愛人と修羅場を迎えるというストーリー。バンドマンのだめっぷりが笑えますよ。ポルノというと敷居が高くなりますが、興味のある女性は「意識高い系」的な感じで観に行きましょう。こういうくだらない18禁ムービーって、最近なかなかないので、うれしいなあ。★★★★☆(森田真帆)

企画・原作:みうらじゅん

監督:安齋肇

出演:前野健太、月船さらら、白石茉莉奈

12月10日(土)から全国順次公開



『ヒッチコック/トリュフォー』 名監督による、珠玉のヒッチコック講座

(C) COHEN MEDIA GROUP/ARTLINE FILMS/ARTE FRANCE 2015 ALL RIGHTS RESERVED. PHOTOS BY PHILIPPE HALSMAN/MAGNUM PHOTOS
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『大人は判ってくれない』などで知られるフランス人監督のフランソワ・トリュフォーによるアルフレッド・ヒッチコックへのインタビューを収録した「定本 映画術 ヒッチコック/トリュフォー」。映画監督志望の若者たちに今もバイブルとして読まれているこの本を題材にしたドキュメンタリー。当時の貴重なインタビュー映像、ヒッチコック作品の名場面に加え、マーティン・スコセッシ、デビッド・フィンチャー、リチャード・リンクレイター、ウェス・アンダーソン、黒沢清ら10名の監督へのインタビューとともにヒッチコックの魅力を改めて見つめなおします。

現代の映画界を支えている名監督たちも、ヒッチコックの作品を語るときは映画少年のように目を輝かせながらその魅力を熱く語ります。数々の映画が登場しますが、当時失敗作と酷評された『めまい』について、あのスコセッシ監督ですら「神業!」という言葉を連発し、フィンチャーが「潜在意識の核心をえぐった彼の最高作だ。当時からハリウッドは興行の成績で作品の良しあしを決めていたんだ」と話す姿がとても印象的。素晴らしい監督たちによる、熱のこもった「ヒッチコック」講義を聞いている気持ちになれました。

1週間にわたって毎日ぶっ続けで行ったというだけあって、当時30代の若いトリュフォーの歯に衣着せぬまっすぐな質問に対して本音たっぷりに答える60代のヒッチコックの素顔も面白い! すごい監督らしいことを言ったかと思えば、「あの女優、せっかくいい作品を用意していたのに妊娠なんてしやがって、馬鹿女が!」って悪態をついたりと、すごく人間的。あ~こんなインタビューができるような記者にあたしもなれたらいいなあと思います。これまでヒッチコック作品を観たことがなかったひとにこそ観てほしいです。★★★★★(森田真帆)

監督:ケント・ジョーンズ

出演:マーティン・スコセッシ、デビッド・フィンチャー、リチャード・リンクレイター

12月10日(土)から全国順次公開



アラーキーの幸福写真
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