花まるシネマ
『スノーデン』 愛国青年が、アメリカ合衆国を敵に回すまでを描いた実話

(C)2016 SACHA,INC. ALL RIGHTS RESERVED.
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4年前の2013年6月、29歳のエドワード・ジョセフ・スノーデンが世界を揺るがすとんでもないことを暴露しました。その内容は、米国国家安全保障局(通称NSA)がGoogleをはじめ九つのウェブサービスを通じて、メールのやりとりや写真、通話記録や利用記録などの個人情報を収集していたという驚きの事実。スノーデンはほどなく時の人となりました。

映画のオープニングは、香港のホテルで実際に行われたスノーデンの取材シーンから始まります。異常なまでに警戒しながら、取材に答えていくスノーデン。そしてその告白とともに、映画は時をさかのぼり、過去と現在を行き来ながら若きITの天才スノーデンがなぜこんな行動をするに至ったかを描きます。わたしはスノーデンってアメリカ政府のとんでもない秘密を暴露したアンチヒーローという印象しかなかったので、彼が実は愛国心のとても強い青年だったという事実にとてもびっくりしました。04年に軍に志願し、政権批判のデモにも顔をゆがめ、「自分の国をバッシングするのは好きじゃない」と言う。そんなピュアな気持ちを持っていたからこそ、アメリカ政府のやり方に失望していったことが伝わってくるのです。

監督は映画『プラトーン』『7月4日に生まれて』『JFK』など数々の社会派で知られるオリバー・ストーン。監督自身、ベトナム帰還兵であり、祖国のために戦い、そこで心に大きな傷を負って戻り、その経験をもとに、映画『7月4日に生まれて』が誕生しました。国のために人生をささげようとしていたスノーデンが国を裏切るに至った心情の変化にストーン監督はシンパシーを感じたのでしょう。スノーデンはいまもアメリカから追われる身。真実の物語だからこそ、その勇気は心に迫るものがあります。★★★★☆(森田真帆)

1月27日(金)から全国公開

監督:オリバー・ストーン

出演:ジョセフ・ゴードン・レヴィット、シャイリーン・ウッドリー、メリッサ・レオ、ザカリー・クイント、トム・ウィルキンソン



『ホームレス ニューヨークと寝た男』 ニューヨークのイケメンホームレスにびっくり!

(C)2014 Schatzi Productions/Filmhaus Films. All rights reserved
(C)2014 Schatzi Productions/Filmhaus Films. All rights reserved

マンハッタンに住むマーク・レイは、長身に甘いマスク、シルバーグレーの髪がダンディーでおしゃれなだて男。昼間は華やかなファッションショーの舞台裏で、美しいモデルたちにシャッターを切るカメラマンだけれど、夜になるとマンハッタンのアパートに忍び込み、屋上に敷いたシートに身を包んで寝るホームレスです。マンハッタンでこんなにおしゃれで、充実しているホームレスはいないんじゃないでしょうか? まさに究極のミニマリストなのか、それともマンハッタンが生んだ究極の負け犬なのか。面白くて切ない、とても興味深いドキュメンタリーです。

カメラはマークの衝撃的な1日を追いかけます。起床して、公園のトイレで朝の身支度、それからジムに行ってシャワーを浴びてお着替え。時には仕事に行って、ファッションショーのパーティーに行ってベロベロになってシートにくるまって寝る! ちなみに冬のマンハッタンはハンパではない寒さなので、ものすごい厚着をして寝るのですが、どんどん重ね着する姿もチャッチャとしていて慣れたものです。

前半はとってもお気楽な彼の生活を追っていますが、後半になると、彼が感じている劣等感にも迫っていてそれがとても共感できる。世界で最も成功しているひとたちを間近に見ながらもそうなれなかった自分。華やかなパーティーを終えて現実に帰っていく彼を見ていると、なんだか夜中の鐘とともに魔法がとけるシンデレラを見ているようなとても切ない気持ちになりました。

彼の生き方には賛否両論と思いますが、わたしは好きです。いろんな気持ちを抱えていても、これだけ自由に生きているんだから。ひとにはいろいろな生き方があるのだなと教えられました。ちなみにわたしは彼と同じ生活をするのなら、断然、暖かいハワイがいいです! ★★★★★(森田真帆)

監督 トーマス・ヴィルテンゾーン

キャスト:マーク・レイ



『マグニフィセント・セブン』 映画『荒野の七人』ファンにはたまらない、ガンアクション満載の西部劇!


黒澤明の名作『七人の侍』をジョン・スタージェス監督が西部劇にリメークした1960年の映画『荒野の七人』が、迫力のガンアクション満載でよみがえりました。悪者に支配される貧しい村を舞台に、村民たちの寄せ集められた少額のお金で集まった7人の男たちが勝ちの見えない勝負に挑みます。

どの作品にも引き継がれるのは、シンプルなストーリーに詰め込まれた人間の勇気、優しさ、そして人と人の絆。そのDNAをきちんと受け継いだ本作は、かつて勇敢な七人の男たちの活躍に興奮した方々にこそ観ていただきたい最高のエンターテインメントです。

監督は映画『トレーニング デイ』のアントワーン・フークア、主演は同作でアカデミー賞主演男優賞を受賞したデンゼル・ワシントンです。監督と主演が黒人で西部劇の名作をリメークするなんて、昔では考えられなかったかもしれませんが、本作ではさまざまな人種の七人の男たちがともに戦う姿を描きます。映画『荒野の七人』を初めて観たのは小学生の時で、それ以降何度も観てきた大好きな映画だったので、リメークと聞いたときは正直いや~な予感しかありませんでした。でも劇場で作品を観てびっくり! オリジナルの2作品へのリスペクトが全編から伝わる作品でした。デンゼルの役どころも、西部で差別されながら生きる黒人だからこそ、強者に虐げられる弱者を守ろうとする正義感がとても自然に描かれています。

「荒野の七人」を観たときも、自分のお気に入りキャラが死ぬたびにワンワン泣いていたわたしですが、本作でも七人全員が魅力的。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のクリス・プラットや、イーサン・ホーク、イ・ビョンホンと個性的な俳優たちがそれぞれのキャラクターを印象的に演じています。ラストにはつい「わあ!」と声を出してしまう粋な演出が待ち受けています。帰り道では、あのテーマソングを思わず口ずさんでいました。★★★★★(森田真帆)

1月27日(金)から全国公開

監督:アントワーン・フークア

キャスト:デンゼル・ワシントン、クリス・プラット、イーサン・ホーク、ヴィンセント・ドノフリオ、イ・ビョンホン、マヌエル・ガルシア・ルルフォ、マーティン・センズメアー



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