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新刊レビュー
『私が弁護士になるまで』菊間千乃著 女子アナの華麗なる転身


元・フジテレビアナウンサー菊間千乃さんの、“弁護士”への挑戦の軌跡。

女子アナ特有の(?)軟らかいタッチで書かれた高島彩さんの本と横並びに陳列されていたので、すっかり「アナウンサーをやめて、私が弁護士になるまで」がソフトに語られているのだと思ったが、全く違った。

書かれているのは、法曹資格を手に入れるための受験勉強の記録。彼女が司法試験を突破するために行った勉強内容や共に闘った仲間とのやりとりがひとつひとつ克明に、詳細に記されているのだ。同じ夢や目標を持つ人には恐らくとてもためになる実用的な情報に溢れている実践書であり、それでいて私のような法曹界とは無縁の人間を震え上がらせるような壮絶な日常が描かれている。

会社をやめ、ロースクールのある大宮に引っ越し、毎朝6時に起床して2時間勉強。その後、ロースクールに通い1日15時間勉強する。加えて本番の司法試験の受験資格はロースクールの卒業から5年以内に3回だけ。試験は4日間かけて行われ、それに受かった者が論文試験へと駒を進める……。私には身の毛もよだつような恐ろしい世界だが、、菊間さんは「全てを勉強に捧げ」、昨年2回目の挑戦で見事合格した。

合格の展望が開けず苦しかったとき、自身の著作に助けられた経験もあり、「人生に迷っている人の助けに少しでもなれば」という使命感から書かれたというだけあって、魂の言葉が綴られている。

それにしても自分、怠けすぎてるなあとつくづく。そんな自分に気合を入れたいときにおすすめ。

(文芸春秋 1200円+税)=江藤かんな



『聞く 笑う、ツナグ。』高島彩著 女子アナに学ぶ“愛され力”


決して意地悪な気持ちからではないのだけれど、横並びに置かれていた女子アナ本を2冊選んだら(しかも、もう1冊は同じ局の菊間千乃さん)全く正反対のタイプの書籍で、こちらが逆に驚いた。

好きな女子アナランキングで殿堂入りするなど、お茶の間好感度も高く、老若男女から幅広い支持を得ている女性、アヤパンこと高島彩さん。長年司会を務めた『めざましテレビ』しかり、彼女の仕切り能力の高さは多くの人の知るところであり、高校・大学の数少ない著名な先輩でもあるという身としては、誇らしい限りだ。

さて本書は、そんな彼女が5歳で父を亡くし、以降、家族3人で手を取り合って暮らしてきたという意外にも苦労してきた過去を皮切りに、成長していく中で得た家族や仕事から学んだ幸せを手繰り寄せるための27の流儀が語られていく。結婚したばかりのお相手との恋愛事情も少し登場する。誰からも好かれるアヤパンの秘密が明らかに!?

本全体から漂ってくる“ゆるふわ幸せオーラ”。女子アナ特有の(笑)軟らかいタッチで書かれた本書は、行間の空きも手伝って、なんだかふんわりシフォンケーキのような味わい。そりゃそうだよね、みんな好きだもんね、シフォンもゆるふわも女子アナも!

彼女の笑顔の裏に隠された努力や苦労を知り、実は骨太な人であろうと確信する。それをふわふわ風味で包み込む、彼女の才能にアッパレ。

(小学館 1300円+税)=江藤かんな



『二階堂ふみフォトブック 進級できるかな。』二階堂ふみ著 炭酸と映画を愛している17歳


二階堂ふみ、この名をご存じだろうか。

現在公開中の映画『ヒミズ』で共演した染谷将太とともに、第68回ベネチア国際映画祭で日本人初となるマルチェロ・マストロヤンニ賞(最優秀新人賞)を受賞し、話題になった女優だ。昨年は『劇場版神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ』の主演や『指輪をはめたい』に出演したこともあり、多くの人に彼女の名が印象づけられた一年であったことだろう。

12歳のときに地元沖縄のフリーペーパー『沖縄美少女図鑑』のモデルを始め、そこに掲載された一枚の写真がきっかけでスカウトされた。映画デビュー作は役所広司の初監督作『ガマの油』(2009)。瑛太扮する拓也の恋人役、光を演じ、その無邪気で天真爛漫な演技に心が奪われた。とにかくかわいかったのだ。

そんな二階堂ふみが初となるフォトブックを発売。「十年後の自分が間違いなく恥ずかしいと思える本」と本人が語るように、青春こじらせ系の要素が詰まっている。「朝は低血圧なんでテレパシー使えないんです。普段はバリバリ使ってますよ。誕生日、わたし台風呼びましたからね」。もはや30代の自分には彼女の若さが身にこたえるも、もう彼女の全部が私にはかわいいんで、すいません、許してやってください!

二階堂ふみ、17歳。彼女の先には、無限の可能性が、未来が広がっている。とりあえず、進級ガンバレ!

(講談社 1500円+税)=江藤かんな