新刊レビュー
『マンガで読む 人生がときめく片づけの魔法』近藤麻理恵著、マンガ・ウラモトユウコ 待ってろ未来の旦那様

ええ、わかってます。溢れんばかりの今さら感。絶え間なく注ぐ懐かしさ。重々承知してますから何も言わないで。そして書かせて。もう私を止めないで。

説明するのも野暮なほどの超ベストセラー『人生がときめく片づけの魔法』。皆さん読まれました? 私ね、読んでない。興味がなかったわけじゃないんです。むしろすんごいあった。しかし手に取ることなくここまで来ちゃった。なんでだろ。あ、「つまりあれっしょ? ときめかないモノ捨てりゃいいって話でしょ? 了解。「読まなくても了解」って思ってたからかな。しかし一向に片付かぬ私の部屋。かつて「渡辺篤史の建もの探訪」を毎週ビデオに録画していたほど住環境に並々ならぬ情熱を傾けている母親が、そろそろキレるほどにとっ散らかっている私のお城。どうでもいいけど「言葉と心の間それは君しか分からない」って歌詞、子供心に衝撃だったなぁ。和正やるなぁ。

すんません話までとっ散らかってますね。そんなわけで手にしたんですよ、マンガ版。このマンガ版って大好きでしてね、ストーリー仕立てで要点がわかりやすく掴めるのがいいんですよ。

主人公は飲料メーカーで営業をしている29歳の千秋。バリバリ働く彼女には誰も知らない秘密があった。それは汚部屋の住人であること……。隣人(言わずもがなイケメン)にその惨憺たる現状を目撃されたことをきっかけに、千秋は部屋を掃除することを決意する。まず彼女は「片づけレッスン」なるものを申し込む。それが、こんまりこと近藤麻理恵との出会いだった……。

近藤の片づけ論は一貫していて説得力がある。中でも印象的だったのが「モノが捨てられない原因を突き詰めていくと結局…『過去への執着』『未来への不安』この2つだけなんです」「モノが捨てられない状態のときというのは今自分にとって、何が必要か、何があれば満たされるのか、何を求めているのかが見えていない状態なんです」という言葉。くっ……ぐうの音も出ないとはこのことか。おかあさーん! あっお母さん部屋汚いから怒ってるんだった!

人生を整理し、見つめ直す、そして「ときめかせる」手段としての片づけという、これまでのおそうじ観を覆す革命的な一冊だったんですね、今さらながら膝打ちまくっています。

ちなみに千秋は部屋を片付けたことで規則正しい生活を送れるようになり、仕事も順調、さらには新しい恋の予感まで芽生えていました。そうか……部屋が片づけば出世して給料上がって、ダイエットに成功して白髪が減って歯医者に行くのも怖くなくなって、お金も貯まって彼氏もできてその彼氏からプロポーズなんかされちゃって、義両親との同居を免れて一姫二太郎に恵まれて慎ましくも賑やかな家庭で末永く幸せに暮らせたりするのか……。旦那は財津和夫似がいいな……。そこは小田和正じゃないんかーい、というツッコミは無視。

新しい人生にわくわく感が止まらず、実際の部屋はまだ1ミリも片づいていないことをうっかり忘れてしまいそうになるほどに、鮮烈な一冊。よーし見てろよお母さん! 待ってろ未来の旦那様(財津和夫似)!!

(サンマーク出版 1200円+税)=アリー・マントワネット

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『全部、言っちゃうね。 本名・清水富美加、今日、出家しまする。』千眼美子著 どうか笑顔で

果たして根も葉もないのか、それとも火のない所になんとやらか。出版が発表されて以降、あれよあれよとスキャンダラスな報道がされて「おや? もしや、宣言してるわりに(ダジャレじゃないよ)全部言っちゃってないんじゃね?」疑惑が浮上してしまった清水富美加こと千眼美子。そんな噂の新刊を読んでみました。

本書は彼女の生い立ちから芸能界に入るいきさつ、下積み時代から出家まで、清水富美加のこれまでの経験とこれからの夢が書かれたエッセーだ。内気だった幼少時代、それでもモーニング娘。になりたかったこと、友達の悪口を本人に聞かれて後悔したこと、好きな男の子がバレて周りからからかわれたこと、それで中学生になって突如モテだしたこと、調子に乗ってダンス部に入ったこと……。決して特殊なわけではない女の子の、ごくありふれたエピソードが並んでいる。

なぜこの本が気になったかというと、突然の出家という衝撃的な展開で湧いた好奇心はもちろんだけど、世間の反応に対する違和感があったから。「洗脳されてる」とか「ヤバい方に行っちゃった」とか言われてるけど、でも私は芸能界のことも幸福の科学のことも知らない。だから世間が「清水富美加、あっちからそっちに行っちゃってヤバい」って言うけど、実は「あっち」の方がヤバい可能性だってある。どっちがヤバいかはわからないし、どっちも別にヤバくない可能性だってある。それを、何も情報を得ようとしないまま判断したくなかったから。

読んでみて思ったのは、芸能界や幸福の科学が白か黒かグレーかはこの本だけでは判断できないけど、清水富美加という女の子にとって芸能界は、ただただ合わない場所だったんだろうな、ということ。それで体も心もおかしくなって、自殺願望が芽生えて、なんとか思いとどまりながら、それでもしなくちゃいけない仕事なんて、この世界にひとつもない。そう私は思ってる。だから幸福の科学の人たちが「今すぐ辞めよう」って言ってくれたのには賛成です。いてくれてよかったね、って思う。

で、宗教ですが……これはもう、別にいいじゃん、て感じ。本人の自由だし、大川隆法の守護霊シリーズはパラパラと立ち読みしては(ごめんなさい)不思議だなーこれ女優とかに許可取ってるのかなーとは思ってたけど、そもそも私とあなたが信じるものが一緒である必要は一切ないわけだし。その教団がどこであれ、芸能界であれ、いたい場所にいて、信じたいものを信じて、それでいいじゃんね。

本書の中で印象的だったのが、彼女がまだ芸能界にいた頃、ロケバスの中でマネージャーに、自分が信者であることをカミングアウトしたというエピソード。その話をしていると、同乗していたスタッフが「突然『私、創価学会なんです』と信仰告白」してきたという。

「やっぱ、言えないですよねえ」「偏見ありますもんね」「嫌われてるのわかってるじゃないですか」「ですよね」……2人はそれから「宗教あるある」で盛り上がったそうだ。

「バラエティ番組でそういうのがあったらおもしろくないですか?」そう語る千眼。幸福の科学信者や、創価学会信者、その他の宗教の信者がひな壇に座り、無神論者が司会をする……。もしかして、彼女は悲しいのかな。自分が大切にしているものを尊重してくれない、差別的な目で見る世間に傷付いているのかな。もしそうなら、そりゃみんなとやかく言うよ。別にそれは幸福の科学信者だけじゃなくて、日常的なことで言えば未婚既婚とか子あり子なしとかさ、自分と違う道を選んだ人を否定したり攻撃したりしがちだよ。それでも、自分も受け入れられることを望むのであれば、みんながそれぞれ自分らしく生きる世界を望むのであれば、その一歩として、神様を信じていない人ともまあ、ゆるやかに共存できたらいいのかなって思ったよ。この本の中であなたは「本来はやっぱり神様を信じなきゃダメだと思う。」って言ってたけどさ。

てなわけで千眼美子!これからは笑顔で、元気でいられたらいいね。

(幸福の科学出版 1200円+税)=アリー・マントワネット

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『anan 2017年3月8日号』 官能と官能のあいだにゆるキャラ

で、でたー。「anan」恒例エロ本号(ただいま不適切な発言がありました)。今回のタイトルは「大人の女は知っている、官能の流儀。」って、意味わかりそうでわからないキャッチですが、ご覧下さいよこの表紙。高橋一生がどこの馬の骨かわからん女のパイオツにほっぺたムギュッてしておりますよ。奥さん!大丈夫ですか息してますか? しかしお相手のパイオツちゃん、「anan」のロゴで顔が隠れてますけど……。なんだろ、自分に置き換えてね、ってことかな。

この写真のもやっとザラッとした感じ、見覚えあるなと思ったらやっぱりハードボイルド系売れっ子カメラマン、笠井爾示でした。

巻頭グラビアは高橋一生と前述のパイオツちゃんのめくるめく濃密なフォトストーリー。どの写真も美しく、なんだかお人形みたい。乱れた感じがないんですよね。私にはそれがやらされてるように見えてしまうけど、最大公約数の女性に向けたエロティックはこれくらいがちょうどいいのかもしれません。

そして気になってしまったのが衣装クレジットの表記。「高橋さん」と「モデル」。……パイオツちゃん、モデルとしか書かれてないの!?(パイオツちゃんて呼んでる奴が言うか)。名前、入れてあげてもいいんじゃない? いや、あれか、熱烈な高橋一生ファンからの攻撃を避けるため……かもしんない。そう、「anan」のグラビアといえば福山雅治吹石一恵夫妻という結婚に至った前例もありますからね。彼らも変わった人に狙われてたりもしてたからなぁ。そういうことも配慮してなのかも……。であればすごいな。

あと気になるのが、グラビアでちょいちょい出てくる高橋一生のカメラ目線。女と抱き合う「最中」の男が、こっち向いてるんですよ。えー、これは……どういう意図で向けられているんだろ。2人の情事を覗き見しているようで、実は私も3人目の参加者だった……的な? 「ほら、そんなとこから見てないで、お前もこっち来いよ」的な? 口元にうっすらと笑みを浮かべ、気怠い視線を寄越す高橋一生。しかし気になるのは彼の腕にうっすら残るBCGの痕。ほら、あの、クリリンのおでこみたいなやつですよ。激しいキスや割れてる腹筋よりもこういうのにグッときてしまうのは、やっぱり変態なんでしょうか。

……と、巻頭グラビアについてつい熱く語ってしまいましたが、今号は1冊丸ごと官能特集。下着にお酒、小説、心理テストに座談会まで、ありとあらゆる切り口から、官能について語っている。こうなってくると巻末のお弁当紹介ページで丸ごと入ってるソーセージですら卑猥に見えてくるから不思議です(つーか狙ってるだろ)。

ちなみに、個人的に印象に残ったのが「クリープハイプのボーカル、尾崎世界観の官能にまつわるインタビューと、岡田准一のゆるすぎる連載エッセーです。「オカダのジショ」と題されたこの連載、彼の脳内ワードを五十音順にたどっているのだとか。今回のお題は「さ行」。すると岡田氏、官能と官能の間でまさかの「しまとしまがくっついてしましま。カワイイ。」だの、「注射のときに目をそらすことなんて、怖くてできません!」だの、「小さな幸せがいっぱいあるのがいい。」だの、目くるめくぶりっ子発言を連発。いやいや~。あのフェロモンゼロの画風でおなじみ、益田ミリ先生だって色気をテーマにマンガ描いてるんですから~。もうちょい空気読んで~。でもそのザッピング感が雑誌のいいところだとも思いますけどね。

(マガジンハウス 509円+税)=アリー・マントワネット

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アラーキーの幸福写真
乃木坂/ギャルママ(下)

    スタジオでの撮影が続く。17歳で長男を出産した大工原里美さんは、3人の子どもとカメラ…