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『エタニティ 永遠の花たちへ』 ブルジョワ家庭の夫婦、母子の絆を描く

2017年09月26日

(C) Nord-Ouest
(C) Nord-Ouest

『ノルウェイの森』以来となるトラン・アン・ユンの新作だ。花と緑に囲まれたフランスの瀟洒な邸宅を舞台に、ブルジョワ家庭の3世代にわたる夫婦、母子の絆が、オドレイ・トトゥ、メラニー・ロラン、ベレニス・ベジョというフランスが誇る人気女優3人の共演で描かれる。

実際には、赤ちゃんや子役も含めたくさんの女優が登場する。冒頭のわずか3カットほどで、3人一役によって一人の女性の成長を描き切ってしまう手腕。あるいは、棺がカメラの前を通り過ぎるだけで画面には時間と空間の概念が生まれ、鏡や窓、ガラス戸といったフレーム内フレームを駆使することにより、女優たちがただ歩くだけでも画面が映画的な時空へと鮮やかに変貌する。『夏至』『ノルウェイの森』に続き3作目となる台湾の撮影監督リー・ピンビンとのコラボは、もはや神業の域である。

本作で描かれるのは、伝統への敬意や、女性たちが子供を産んで一族がつながっていく保守的な物語なのだが、それをナレーションで全て説明してしまうジャン・ピエール・メルヴィル的な語り口から、トラン・アン・ユンの興味は物語よりも、映画的な時空を生きる女優たちの美しさに向いているのは明白だ。

それにしても、一つ一つの画面が濃密過ぎて、見終わった後にどっと疲れが! もちろん心地いい疲労感なのだが、3本の傑作を一気に見せられた気分である。★★★★★(外山真也)

監督・脚本:トラン・アン・ユン

出演:オドレイ・トトゥ、メラニー・ロラン、ベレニス・ベジョ

9月30日(土)から全国順次公開






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