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『コックリさんの父』岡本和明、辻堂真理著 超常現象の研究に費やした生涯

2017年09月15日


1970年代に少年時代を過ごした読者なら、「曲がれ」と念じて必死でスプーンをこすったり、教室で級友とコックリさんをしたりした経験があるのではないだろうか。そんなオカルトブームを広めた超常現象研究家、中岡俊哉の生涯を追った評伝である。

まさに波乱の人生だ。馬賊を夢見て戦前の満州に渡り、中国の怪談・奇談を収集する一方、3度の臨死体験をする。帰国後、超常現象の専門家として世界を取材して自らブラジルの心霊治療を体験。本や雑誌、テレビ番組を通してスプーン曲げやコックリさん、心霊写真のブームを次々に起こした。

最もセンセーショナルだったのが、オランダの透視能力者クロワゼットの来日だ。番組本番前に捜索中の少女が既に死亡していることを透視してしまい、実際に遺体が発見されて大騒動になるのだ。

中岡のスタンスは超常現象を科学的に解明し、人類に貢献することだった。自分が見たものしか信じず、真偽の判定には厳しい条件を課した。マスコミの批判や科学者の嘲笑に臆することなく、生涯で約200冊の著書を著し、約300本の番組に出演した。

客観的叙述に努めた本書は超常現象の真偽や当否については言及していない。一方で表紙の裏にコックリさん用の文字盤を印刷しているのは読者向けのサービスか。

ところでクロワゼットは「三億円事件」の真犯人を透視して極秘裏に捜査協力したそうだ。「犯人は既に殺され、モンタージュ写真とは全く似ていない」との証言。信じますか?

(新潮社 1500円+税)=片岡義博


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