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格闘技

世界軽量級界のエース格へ 井上尚弥、鮮烈な米国デビュー

2017年09月12日

WBOスーパーフライ級世界戦の前日計量で、にらみあう王者の井上尚弥(左)と挑戦者アントニオ・ニエベス=米カリフォルニア州カーソン(共同)
WBOスーパーフライ級世界戦の前日計量で、にらみあう王者の井上尚弥(左)と挑戦者アントニオ・ニエベス=米カリフォルニア州カーソン(共同)

世界ボクシング機構(WBO)スーパーフライ級チャンピオン、井上尚弥(大橋)が9月9日、米国カリフォルニア州カーソンで6度目の防衛戦に臨み、6回終了TKO勝ちを収め、本場のファンをうならせた。

スピード、パワーとも出色の出来。念願の米国デビューを文句なしの内容で飾り、「世界のイノウエ」を大いにアピールした。今や日本どころか世界軽量級界のエース格と表現してもおかしくはないだろう。

挑戦者のアントニオ・ニエベス(米国)は同級7位。アマチユアでの経験も豊富で、決して容易な相手ではなかった。

しかし、井上は初回のゴングから圧倒的なパフォーマンスで追い込んでいく。5回には得意の左ボディーブローでダウンを奪った。これでニエベスは徹底的な守りに入る。

井上は容赦しない。6回、連打を浴びせ、KO勝ちは時間の問題かと思えた。このラウンドが終わり、ニエベス陣営がギブアップしたが、井上にとってはやや消化不良だったようで、本人は「70点」と自己評価した。

これは強すぎるがゆえの採点であり、井上の存在感は十分に伝わった。会場にはため息さえもれたという。

これで戦績は14戦全勝(12KO)。切れ味鋭いボクシングスタイルは、米国の関係者も驚きを隠さない。

試合を中継したケーブルテレビ局HBOの担当者は「予想通りのチャンピオン。誰もがまた見たいと思うはずだ」と声を弾ませ、米メディアも「イノウエはスピードにあふれ、ボディーショットは威力抜群。才能は計り知れない」と感嘆するほど。さらなる将来を約束させるTKO劇だった。

ただ、残念なこともあった。井上の次に登場した元世界4階級制覇王者ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)が4回KO負けを喫したことだ。

ゴンサレスは屈指の強打者として人気も高く、井上とグローブを交えれば「世紀の対決」にふさわしい熱戦が期待されていた。しかし、あっけなくキャンバスに沈んだことで、事実上スーパーファイトは消滅したといえる。

井上の次なる目標は「3階級制覇」に移ったのではないか。

これまで数々のヒーローを生んできたバンタム級の頂点を視野に入れているのは間違いない。

類いまれな才能が磨かれ、どう新たな歴史を刻んでいくのか。井上から目が離せない。(津江章二)