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『オン・ザ・ミルキー・ロード』 映画のど真ん中を突き進むクストリッツァに快哉

2017年09月12日

(C)2016  LOVE AND WAR LLC
(C)2016 LOVE AND WAR LLC

エミール・クストリッツァの新作だ。40代前半でカンヌ、ヴェネチア、ベルリンの3大映画祭を制覇した、セルビアが誇る天才監督も今や60代。実に9年ぶりの長編である。だが本作を見れば、それも納得。撮っていなかったのではなく、完成してなかっただけ。撮影だけで3年を要したという密度の濃い映像は、どうやって撮ったの?という驚きの連続。サイレント時代の超大作を彷彿とさせるようなぜいたくさに満ちている。

戦火が続く架空の国を舞台に繰り広げられる壮大な愛の逃避行劇で、逃げるのは、クストリッツァが自ら演じるミルク運びの男と、村一番の英雄の花嫁として連れてこられた謎の美女。彼女の過去が原因で村が襲われて壊滅し、唯一生き残った二人は追われる身に…。

圧倒的な生命力と狂騒、ユーモアとペーソス、生々しいリアリズムと幻想性の違和感のない融合、さらにはパワフルな民族音楽に、動物たちの嘘のような名演技の数々…過剰さに満ちたクストリッツァならではの世界観は、微塵も衰えていない。彼がスゴイのは、オリジナリティーにあふれながら映画独自の表現にこだわり、そこを決して踏み外さないところ。そんな映画のど真ん中を突き進むクストリッツァに、これまでのファンは快哉を叫び、新たな若いマニアが急増すること請け合いである。★★★★★

監督・脚本:エミール・クストリッツァ

出演:エミール・クストリッツァ、モニカ・ベルッチ、プレドラグ・ミキ・マノイロヴィッチ、スロボダ・ミチャロヴィッチ

9月15日(金)から全国順次公開






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