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『LOCO DD 日本全国どこでもアイドル』 虚実の境はどこに?

2017年09月26日

(C) LOCO DD 製作委員会
(C) LOCO DD 製作委員会

ロコドル(地方アイドル)をテーマにしたオムニバス映画だ。第1話は、俳優の田中要次が同郷・長野の4人組“オトメ☆コーポレーション”に密着した作品で、その解散ライブを記録した貴重な映像になっている。第2話では、大工原正樹監督が福岡のダンス&ボーカル・ユニット“FantaRhyme”とファンの交流を描き、第3話は島田元監督が、富士山ご当地アイドル“3776(みななろ)”に夢と現実を行き来させる。

タイトルにあるDDとは、Dorama & Documentaryの略で、“虚実の境”というもう一つのテーマが、近年のオムニバス映画には珍しい統一された世界観を生んでいる。中でも第2話は、この主題の一つの達成と呼べる出来栄えで、実在のアイドルが自分自身を演じるという設定を最大限に活用して、映画とは何か? その本質を随所で見る者に問い掛ける。とりわけ、虚実の境界線が完全に溶解してしまう、ジャック・リヴェットの映画を思わせる公園のシーンには衝撃を覚えた。

第3話は、映画言語を駆使したとても映画的な一本。言ってしまえば映画とは、時間と空間をフレームによって切り取ったもの。3776が消えた富士山を両手で再現する一種の“決めポーズ”は、映画とアイドルの本質が1カットの中で一体となった瞬間、2つのメディアの幸福な出会いと言えるだろう。虚実の越境も巧妙で、自主映画のように自由に撮っているかに見えて、実際は手の込んだ、考え抜かれた作品なのだ。アイドル好きはもちろん、映画ファンも楽しめるオムニバス映画である。★★★★☆(外山真也)

『Last DAYS~君といた場所~』監督:田中要次、出演:オトメ☆コーポレーション

『ファンタスティック ライムズ!』監督:大工原正樹、出演:FantaRhyme

『富士消失』(写真)監督:島田元、出演:3776(井出ちよの)

9月30日(土)からシネマート新宿で2週間公開の後、愛知、長野などでも公開






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