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「サッカーコラム」敗戦後のポドルスキに感じた人間臭さ J1神戸に新加入した大物助っ人

2017年08月10日

柏―神戸 後半、厳しいマークを受ける神戸・ポドルスキ(右)=柏
柏―神戸 後半、厳しいマークを受ける神戸・ポドルスキ(右)=柏

テレビで放送されるスポーツニュースは、人々の興味を誘う映画の予告編のようだ。かくいう自分自身も、目にしたニュースがきっかけで日立台に足を運ぼうと決めた一人だ。Jリーグにデビューした大宮戦であの左足を見せられたら、ぜひそのプレーを生で観戦したいと思うのが普通だろう。J1第20節の柏対神戸戦は、ルーカス・ポドルスキ効果で超満員だった。

一時期と違い、近年のJリーグの外国籍選手は、残念ながらかなり小粒になってきている。確かにチームの一部として機能する選手は多いが、いわゆる“助っ人感”に欠ける。こいつにボールを預けたら何とかしてくれるという選手は珍しくなり、場合によっては日本人とさしてレベルの変わらない選手もいる。

そのようななかでの久々のビッグネーム。3年前のワールドカップ(W杯)ブラジル大会で世界王者に輝いたドイツ代表で背番号10を背負った男のJリーグ加入は、心のどこかで大物助っ人が次々加入する中国リーグの羽振りの良さをうらやんでいた身としては、久しぶりに心躍る話題といえる。

柏戦のポドルスキ。結論から言えば、2得点を奪った大宮戦のような輝きはなかった。それでも注意して見ていると、どういう人間であるかが少し見えてきた。

この選手は自分の仕事を邪魔する相手は、味方でも許さない。そう、海外の点取り屋に多い「オレ様」なのだ。それもそうだろう。常に世界トップレベルをキープするドイツのA代表で13年間にわたりプレー。通算130試合に出場し49ゴールを挙げているのだから、味方に自らのプレーを妨げる選手はいなかったはずだ。

しかし、柏戦ではまさかの邪魔をされることになった。開始4分、ペナルティーエリア左。ポドルスキが左足アウトサイドでボールを持ち出し得意のシュート体勢に入った。次の瞬間、ポジションが重なった大森晃太郎が、横取りのような形でシュートを放ったのだ。

結果的に大森のシュートは神戸の左CKとなり、そこから三原雅俊の先制点が生まれた。それでも自分の得点パターンを略奪されたポドルスキの怒りは収まらない。大森に何かを言い続ける。このような光景は日本ではあまり見られない。世界のトップで点を取り続けてきた選手というのは、なるほどこのように我を張るのだ。サッカーで味方に譲ることは、ある意味での自分自身の責任放棄だ。その意味で日本人も、特にストライカーは自己主張をするべきなのかもしれない。

右サイドの渡辺千真のサイドチェンジのロングボール。前半13分に左足で合わせたボレーは、ミートせず左に外れる。そして後半3分の田中英雄の右CK。再び左足のボレーシュートを放ったが大きく外れる。この試合でポドルスキが放った2本のシュートは、ゴール枠をとらえられなかった。

試合は先制点を奪いながらも、1―3の逆転負け。試合後のポドルスキは、ある意味で人間的だった。いわゆる負けず嫌いが「ムカつく」姿を、ミックスゾーンにいる報道陣にそのまま見せたのだ。

最初は報道陣を無視して素通りしそうな感じだった。確かに負け試合では、答えたくない場合もあるだろう。その状況でチームと自身の出来について問われると、返ってきたのは「もうちょっとサッカーの具体的な質問をしてくれ」という言葉だった。

これはよく分からないのだが、もしかしてドイツも含めた欧州各国と日本では、サッカーに対する基準の違いというものが存在するのかもしれない。メディアの質問も含めてだ。

ポドルスキがさらにムキになってまくしたてたのは、判定に対してだった。見ている側からすれば、そんなひどいプレーがあった感じはしない。ただ、ポドルスキから言わせれば、後ろからのタックルで一発退場のプレーがあったというのだ。そして、そのプレーをレフェリーは見逃したことに腹を立てていたのだ。

「いつもは試合の後でレフェリーについては言わないんだけど、今日はみんなの見ての通りだ」

ポドルスキの言う「見ての通り」が見えないJリーグと欧州では、判定の基準が違う可能性がある。欧州では正面からはかなり強く当たってもファウルを取らない場合が多い。しかし、選手生命に関わるケガにつながる背後からのタックルは、日本以上に厳しく取る。Jリーグ基準に慣れたわれわれには、欧州におけるバックチャージの判定基準がわからないのかもしれない。

それにしても欧州人には過酷な気候のなか、あまりにも期待し過ぎた感はある。怒りの“ポルディ”が「僕にはあと何試合か必要だ。皆はシーズンの中盤だけど、僕はシーズンが始まったばかりなんだよ」との言葉は、ごもっともだ。それでも毎試合、この左足の怪物のすごさは確実に満喫できる。試合前のシュート練習。あんな速くて強烈なシュートは、Jリーグでは見たことがない。

岩崎龍一(いわさき・りゅういち)のプロフィル サッカージャーナリスト。1960年青森県八戸市生まれ。明治大学卒。サッカー専門誌記者を経てフリーに。新聞、雑誌等で原稿を執筆。ワールドカップの現地取材はブラジル大会で6大会連続となる。






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