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「リレーコラム」野茂抜く、歴史的場面に興奮 絵になる投手、楽天・則本昂大

2017年06月14日

プロ野球新記録の7試合連続2桁奪三振を達成し、記念のボードを掲げる楽天の則本昂大投手=1日、仙台市のKoboパーク宮城
プロ野球新記録の7試合連続2桁奪三振を達成し、記念のボードを掲げる楽天の則本昂大投手=1日、仙台市のKoboパーク宮城

プロ野球担当になって11年目で、毎年100試合以上は見てきた。それでも、歴史的な場面を目の当たりにすると興奮する。

6月1日だった。楽天の則本昂大が巨人戦で野茂英雄(当時近鉄)を抜き、プロ野球新記録の7試合連続二桁奪三振(12日時点で8試合連続2桁奪三振に更新中)を達成した瞬間はまさにそれだった。

3―2の八回に10個目の三振を奪っても笑顔も見せず、淡々としていた。

ただ、球場内は大盛り上がり。「ファンの人たちの声援で、今までなかった力が出た」と熱気に後押しされるように、そこからまた一段、投球のレベルが上がった。

マギーは155キロを振らせて三振を奪い、阿部慎之助にはこの日最速タイの156キロで追い込み、最後はフォークボールで空振り三振。中軸から3者連続三振を奪い、ようやく右拳を突き上げて喜ぶ姿はさまになっていた。

「(八回の前で)三振があと一つ、ということは分かっていたけど、1点差。ヒットを打たれないように、先頭を出さないようにと思った」と、試合後さらりと言う姿は風格たっぷりだった。

則本のピッチングは見ていて楽しい。理由は簡単。最近は少なくなってきた本格派だからだ。

多くの投手が打者の手元でボールをわずかに動かす球を使って凡打を誘い、多彩な変化球を操る。則本はどんな相手でも150キロを超える真っすぐで押し、真っ向勝負を挑む。

その真っすぐもきれいなフォーシーム。今季は少ない球数で投げ切ることを意識しており、余計なボール球を挟まず、どんどん攻めていくから爽快だ。

身長178センチの則本は決して大きいとはいえない。野茂もそうだし、ダルビッシュ有や田中将大、大谷翔平も、本格派と言われるピッチャーはほとんどが大柄だ。

馬力の違いから、どうしても体格に恵まれた人が球威のある球を投げられそうだが、それを否定したのが与田剛投手コーチだった。

現役時代は速球派でならした与田コーチは「背が高くても(フォームの)バランスが悪かったら駄目。170センチ中盤でも、体の強さ、バランスが良ければ速い球が投げられる。大事なのは体の大きさではない」と教えてくれた。

則本は下半身の強さ、股関節周りの柔軟性が他の選手よりも格段に優れているという。それが躍動感のあるフォームを生み、あれだけの剛速球を投げられている要因だという。

ちなみに、二桁奪三振の連続試合数の上位は6試合の野茂(5試合も2度)の他に、5試合で杉内俊哉、ダルビッシュ、能見篤史が名を連ねるが、先発、中継ぎ、抑えの役割分担が定着して以降の近年の選手らだけだ。

通算奪三振数でトップ5の金田正一、米田哲也、小山正明、鈴木啓示、江夏豊といった往年の大投手が誰も入っていない。

当時は、先発、中継ぎ、抑えと役割が分担されておらず、例えば金田は生涯で944試合登板しているが、その内、先発したのは569試合だけ。二桁三振を奪っても、次が中継ぎ登板なら途切れてしまう。今とは環境が違った。

歴史が長い米大リーグでも8試合が最多だ。メジャーでは先発投手は徹底的に球数を管理され、その代わりに中4、5日と短い間隔で投げていく。必然的に1試合でのイニング数がなかなか伸びず、二桁三振を奪うことは難しくなる。

本塁打が打者にとっての華なら、投手はやっぱり三振が一番、絵になる。「三振を取ることでファンが喜んでくれるなら、価値がある」と則本。懸命に腕を振り、三振を量産するピッチングは誰もが心を打たれる。

浅山 慶彦(あさやま・よしひこ)2004年共同通信入社。相撲、ゴルフなどを経て、プロ野球担当に。阪神、ロッテ、巨人などを担当。愛媛県出身。






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