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「リレーコラム」新天地はどこに? 今夏ACミランと契約切れる本田

2017年05月17日

サッカーのワールドカップ、ブラジル大会のコロンビア戦でプレーする本田圭佑(ほんだけいすけ)選手=2014年6月(共同)
サッカーのワールドカップ、ブラジル大会のコロンビア戦でプレーする本田圭佑(ほんだけいすけ)選手=2014年6月(共同)

「PKを外すのは、PKを蹴る勇気を持った者だけだ」―。

失敗したくない選手は、そもそもPKを蹴らない。蹴る勇気を持っているからこそ、ときに成功し、ときに失敗する。その勇気を評価しなければいけないといった意味で、サッカーの元イタリア代表のロベルト・バッジョが残した言葉だ。

イタリア1部リーグ(セリエA)ACミランの本田圭佑(30)は、今季限りで契約が切れる。3シーズン半にわたる挑戦は、期待していたような「成功」ではなかった。

1年半ほど前にインタビューした際も「自分がね、描いていた絵とは明らかに違うことは認めます。移籍してこうなりたい、と思っていた絵とは。でも予期せぬ事態が起こることは今に限ったことではない。こういう経験は将来に必要だとポジティブに向き合っている」と話していた。

セリエAで10番を背負ってプレーするという少年時代の夢を叶えた本田。加入2季目の2014~15年シーズンの開幕直後に7試合で6ゴールと好調だった時期もあるが、高いレベルで数字を残し続けることはできなかった。

モンテラ監督が就任した契約最終年の16~17年シーズンは、ほとんどの時間をベンチで過ごしている。

ただ、本田自身は「失敗」を決してマイナスだとは捉えていない。「失敗の数は、その人の魅力そのものと比例するのではないか。失敗したことがないという人が仮に僕の目の前に現れたら、何の魅力も感じない。失敗はすごい価値のあるものだと思っている」

勇気を持ってチャレンジしたこと、それ自体に大きな意味があるというのが本田の信条だ。

欧州屈指の伝統クラブで10番を背負う重圧に向き合い続けた経験に大きな価値があるのは間違いないだろう。

クラブで出場機会を得られず、長く大黒柱として引っ張ってきた日本代表でも、ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の直近3試合は先発を外れている。6月に31歳になる本田は、代表チームの中でも踏ん張りどころを迎えているといえる。

ACミランとの契約期間が残りわずかとなっても契約延長の話は聞こえてこず、移籍先候補として米国や中国のクラブが取り沙汰された。

最近では来季スペイン1部に復帰するレバンテの名も挙がった。移籍する場合、ACミランとは契約満了のため移籍金は発生しない。

自身の欧州初挑戦だったVVVフェンロ(オランダ)では、2部降格を味わいながらもチームを去らずに得点を量産して、1シーズンでの1部復帰という仕事を果たした。

CSKAモスクワ(ロシア)に移籍した際は、欧州のトップレベルのリーグでないとの冷ややかな見方もあったが、欧州チャンピオンズリーグ(CL)で日本選手初のベスト8入りという結果を出してみせた。

今夏以降、どんなユニホームに袖を通すのか。選手にとっては出場機会が大切なのは言うまでもない。

1年後のW杯を考えても、チーム選びは慎重になるのが自然だ。ただ、本田の場合は、その先の「成功」や「失敗」にあらかじめ思いを巡らせて安全な道を選択するようなことはしないのだろう。

今回も、最も挑戦しがいがあると感じる道に進むことこそ、本田らしい決断と言えるのではないだろうか。

土屋 健太郎(つちや・けんたろう)1979年生まれ。千葉県出身。2002年に共同通信社入社。福岡でプロ野球のソフトバンクなどを担当。07年1月から東京でサッカー、大相撲、バレー、バスケットボールを担当。15年からベルリン支局でサッカーを中心に取材。






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