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『FOUND ファウンド』 人間の残虐性をとことん刺激する問題作

2017年01月10日

(C) Forbidden Films, LLC All Rights Reserved.
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昔から、ホラー映画が得意ではないのですが、「僕の兄は、クローゼットに生首を隠している」というキャッチコピーを読んだ瞬間、私の中の<怖いもの見たさ>スイッチが発動して観たくてたまらなくなった映画です。なんと8千ドルという100万円以下の予算で作られたという本作は、映画の始めこそ「ホームビデオで撮ってるのか!?」というような画像の荒さと、素人っぽい役者の演技に衝撃を受けるのですが、10分もたたないうちにそんなことも忘れて映画に引き込まれていきます。

主人公はホラー映画が大好きな12歳の男の子マーティ。ある日、お兄ちゃんのクローゼットに人間の生首が入っているのを発見します。ふつうならそこで「ギャー! ママ!」となるところですが、マーティはまるで取りつかれたように時折、兄の部屋にこっそり入っては生首を眺めます。ホラー映画オタクでいじめられっ子の彼の日常は決してハッピーではなく、彼自身も闇を抱えているのです。なにかを期待しているかのように、兄にいじめっ子の名前を告げる時のマーティの目に潜むしたたかさ、残虐性は、サイコパスの兄よりも怖いものがあります。

この監督はもともとスプラッター映画を撮ってきたひとなのですが、この映画ではまったく予想できないラストに向けて観客を心理的に追い詰めていきます。作品の中盤で、さすがスプラッター出身というような「うぎゃ?!」なシーンが出てくるのですが、「もうこの映画観るのやめたい!」と何度も思いながらも結局最後まで観てしまいました。普段決して触れることのない、暴力と嗜虐性に刺激され、ラストシーンでは言葉が出ないほどの衝撃でした。世界中の映画祭で称賛されながらもアメリカでもなかなか公開が決まらなかったのも納得! いやあ、すさまじい映画ですので覚悟して観てください。★★★★☆(森田真帆)

監督:スコット・シャーマー

出演:ギャビン・ブラウン、イーサン・フィルベック

1月10日(火)から順次公開






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