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来年はWRCが再び人気を呼びそう トヨタが18年ぶりに復帰

2016年12月21日

ヘルシンキで行われた発表会に登場したWRC参戦車両のヤリスWRC(日本名:ヴィッツ)。マイクロソフトがメインスポンサーになった=TOYOTA GAZOO RACING
ヘルシンキで行われた発表会に登場したWRC参戦車両のヤリスWRC(日本名:ヴィッツ)。マイクロソフトがメインスポンサーになった=TOYOTA GAZOO RACING

今月13日、フィンランドの首都ヘルシンキで、2017年から世界ラリー選手権(WRC)に参戦するトヨタ自動車の体制が発表された。1990年代にドライバー部門や製造者部門を制するなど黄金時代を築いたトヨタがじつに18年ぶりにWRCに復帰するのだ。

FIA(世界自動車連盟)が主催するWRCはF1と並ぶモータースポーツ最高峰のカテゴリーだ。F1はサーキットを中心にフォーミュラカーと呼ばれるオリジナルの車体で同時に走行して順位を競うのに対して、WRCは市販車を改造した車体で、一般道を閉鎖したSS(スペシャルステージ)と呼ばれる区間を1台ずつ走行し、その合計タイムを競う。つまり、ラリーには他のレースのような抜きつ抜かれつのバトルこそないが、舗装路であったり、未舗装路であったり、雪上であったり、はたまた泥道であったりと、あらゆる道を舞台に、時には数十メートルもジャンプしたり、派手にドリフトしながらコーナーを立ち上がったりするなど別の迫力がある。

そんなWRCにトヨタが復帰したのは、ただ名誉を獲得するためではない。トヨタ自動車の社長であり、WRCに挑戦するTOYOTA GAZOO RACINGの総代表でもある豊田章男氏は、近年、自動車メーカー各社が開発を競っている自動運転技術においても、WRCを活用すると発言した。今回の復帰にあたり、メインスポンサーにはマイクロソフトがついた。マイクロソフトは、走行する車両のあらゆるデータを分析し、WRC車両の開発に生かすことはもちろん、あらゆる路面を限界走行したときのデータを蓄積し、それをトヨタ自動車が自動運転車両の開発にも生かすのだと言う。

近年、老人による車両事故が増えるなど、高年齢化社会に対応するためにも自動運転技術の早急な発展が求められている。そうしたとき、事故を未然に防ぐ部分において、車両の限界を把握するため、WRCの各種データは、間違いなく有効だろう。

加えて、テレビ朝日が広く認知されることを目指し、トヨタの挑戦と連携する形でWRCに特化した番組を制作することを発表したこともモータースポーツファンには朗報だろう。早速、28日には、タレントのマツコ・デラックスさんの番組内でWRC挑戦を扱う。F1、ル・マン24時間レースに続き、2017年はラリーが再び人気を呼びそうだ。(モータージャーナリスト・田口浩次)