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『発達障害の僕が輝ける場所をみつけられた理由』栗原類著 人とかかわるすべての人に

2016年12月19日


モデル・タレントの栗原類が朝の情報番組で、自身が発達障害であることを告白したのが2015年のこと。その反響はかなり大きく、ネットニュースなどで度々取り上げられていたのは、記憶に新しいだろう。この度、彼の書籍が発売された。

イギリス人の父と日本人の母の間に生まれた栗原。その後渡米し、アメリカに拠点を置きながらも、日本と行き来していた幼少~小学校時代。そこで学習障害と診断されたが、彼の主な特徴としては「感覚過敏」「強いこだわりがある」「二つの動作が同時にできない」「記憶力が弱い」「注意力散漫で忘れ物が多い」「人の心を読み取るのが苦手」だったという。

小学校5年生で日本に戻って来たが、そこからいじめが始まり、中学校では不登校を経験する。その後高校に入学すると、これまでとは打って変わって友人を作り謳歌するようになる。そんな自身の半生は、類自身の言葉で丁寧につづられている。

そして本書には、母の泉さんによる手記、そして主治医である高橋猛さんのインタビューを掲載し、栗原のこれまでを振り返っている。なかでも泉さんの葛藤の日々はとても印象的だ。アメリカで栗原がADD(注意欠陥障害)と診断された時に受けたアドバイスされたことが書かれている。

「お母さんと類くんはぜんぜん違う。自分ができたことを子どもに要求しないで。自分が簡単にできたことを子どもができないことに関して、『なんでできないのだろう?』という疑問をもたないで。逆に自分ができなかったことだけを思い出すようにして」。

それを受けて泉さんは、「その言葉は、私にとって一生忘れることのできない大切な言葉となりました。「親子なのだから」「家族なのだから」という、個と個の境目を曖昧にするような感覚は、時として自分を甘やかし、相手に負担をかけます。自分と子どもは別々の個性を持った人間であり、私にできないことを彼はたくさんやっている」と、常に考えることで、子どもを尊重し、心から褒めてあげられるようになります」と語る。個の境目を曖昧にする感覚……。それは発達障害云々関係なく、人と向き合うすべての人の、力になりうる言葉だろう。

母子で迷い悩みながらも、自立した存在になることを目標に、生活リズムを徹底させた幼少時代。他者との葛藤を通して、「心の体力」をつけた中学時代。そして泉さんの、長い目で成長を見守り、子供の幸せの価値観を柔軟に持っていた結果、栗原の現在……。

モデル、タレントとして活躍するだけでなく、きっと今の栗原は友人にも恵まれているのだろう。それは巻末にある友人・ピース又吉との対談からもうかがえる。尊敬し合える、信頼できる友人に出会えたこと、それもまた、親子で生きることに向き合い続けた、最高に嬉しい結果だろう。よかった!(KADOKAWA 1200円+税)=アリー・マントワネット


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