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モータースポーツ
新方式採用の予選が波乱を生む? F1新シーズン、18日に開幕

2016年03月16日

メルセデスのルイス・ハミルトン。新ルールをものともせずに3年連続4度目となる年間王者に輝くことはできるか、注目だ=MERCEDES AMG PETRONAS
メルセデスのルイス・ハミルトン。新ルールをものともせずに3年連続4度目となる年間王者に輝くことはできるか、注目だ=MERCEDES AMG PETRONAS

今週は四輪モータースポーツの最高峰であるF1と、二輪モータースポーツの世界選手権シリーズ最高峰に位置するモトGPクラスが、オーストラリア・メルボルンと中東のカタール・ドーハでそれぞれ開幕する。まさに2016年モータースポーツの幕開けだ。

F1では、すでにメルボルン入りした各チームやドライバーが、トレーニング風景などを続々とフェイスブックなどにアップしている。こうしたドライバーや関係者のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)をフォローするのも、今季のF1観戦スタイルかもしれない。

さて、開幕戦で注目すべきは新方式を採用した予選だろう。昨季までの予選方式は以下の通り。まず、Q1は全車が参加し、走行タイムの上位15台がQ2に進出する。Q2では、同上位10台がQ3へ。そして、最後に上位10台で争うQ3でポールポジション(PP)が決まる…という具合だ。今年も3段階で行われるのは変わらないが、脱落者を決定する方法が大きく変わった。

新ルールでは、Q1ではスタートから7分経過した時点でタイムが最も遅いドライバーが脱落し、そこから90秒ごとにその時点で最下位のタイムしか記録できていないドライバーが脱落していき、15台がQ2へ進む。続く、Q2とQ3でも同様のやり方でスタート順を決めていくが、最初の1台が脱落するのがそれぞれ違う。Q2が開始6分で、Q3は開始5分だ。そして、最後は残り2台がコース上でPPを争うことになる。

こう聞くと、コース上にマシンが走り続けるのではと思いがちだが、実際は違う。予選に使うタイヤで、マシン性能を十分に引き出して走れるのは1周または2周程度。これを、関係者は「おいしいタイム」と呼ぶ。つまり、おいしいタイムを出したらすぐにピットインして、時間をおかずにコースへ戻るという行動を繰り返すことになる。しかし、1レースで使用できるタイヤは13セットに制限されている。しかも、フリー走行を通じて6セットをピレリに返却するので、予選開始時に各車が選択できるタイヤは7セットしか残っていない。新品タイヤはできるだけ決勝で使いたいので、予選で何度も新品タイヤを履くわけにはいかない。

つまり、予選でアタックするタイミングを決めるのがこれまで以上に難しくなる。さらに、有力チームが昨季まで採用していた各ブロックの最後にコースインするという手法は無意味になる。90秒ごとに最後尾が脱落していくからだ。加えて、コースインのタイミングが悪いと、誰にも邪魔されずに走行することも難しくなり、クリアラップが取りづらくなる。だから、有力チームであっても脱落する波乱が生まれやすくなる。

チームやドライバーには評判の悪い新ルールだが、波乱は演出にもなる。ハプニングこそが視聴者の目を引くことは数々のテレビ番組などで証明されている。今シーズンは昨季を超える話題を生み出せるのか、その試金石となる開幕戦が18日に始まる。(モータージャーナリスト・田口浩次)