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『ぼくらの哀しき超兵器』植木不等式著 戦争が生んだトンデモ作戦

2015年09月07日


戦争によって進展してきた20世紀の科学技術。戦闘機やレーダーといった直球の兵器開発の陰で、奔放にして型破りなアイデアによる数々のトンデモ兵器が夢想されていた。本書はまともな戦史や科学史には記されない、古今東西の「超兵器」開発をめぐるノンフィクションである。

裏面史とはいえ、登場人物は多彩だ。第2次大戦時、東条英機首相は議会で、上空高く上昇して重力を振り切る飛行機や、大気中の水素を燃料とする飛行機の開発構想をぶち上げた。敗戦の必然を思わせるエピソードである。

米国のCIAはキューバ革命の英雄カストロ失脚を狙って、トレードマークのひげをなくすべく強力な脱毛作用のある薬を投与する作戦を立てた(もちろん頓挫)。CIAの前身機関はヒトラーに女性ホルモンを投与して「女性化」する作戦にも失敗している。

米空軍の研究所は、敵兵同士を同性愛行動に誘う媚薬兵器の開発を進めた。愛の軍事利用である。敵の無力化を狙ったこの研究は2007年度のイグノーベル平和賞を受賞した。

超能力戦士、動物兵士、地震兵器、猿人創造計画――開発秘話を紹介する筆致は軽妙ながら、叙述は緻密で情報源も明記している。つまり全部ホントのことらしい。

さて、次から次に繰り出される仰天エピソードから私たちは何を学ぶべきか? 人間の果てなき想像力か、勝利への妄執か、度し難い愚かさか……別に学ばなくてもいいような気がする。岩波書店さん、よくこんな本、出しましたね。

(岩波書店 2500円+税)=片岡義博


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