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『書評大全』共同通信文化部編 5000本のガチンコ勝負

2015年04月20日


この出版不況の折、狂気の沙汰としか思えない仰天企画だと思った。なにしろ共同通信社が1998年から2014年までの16年間に配信した約5000本の書評を収録したというのだから。2560ページ、厚さ7センチの大著を拾い読みするうちに、これは別の意味でとんでもない本であることを実感した。

もちろん、帯にあるように「空前の“書評から見る文化史大事典”」である。共同通信の書評は文化部の記者たちが手分けして週6冊の新著を選び、1冊ずつ評者を勘案して依頼する。つまり1本の書評には著者、編集者、記者、評者という同時代人たちの思いが輻輳(ふくそう)している。それを時系列に並べた本書には、20世紀末から現在に至る文化の総体が交響していると言っていいだろう。例えば巻末の「キーワード索引」を眺めると、この間「老い」や「介護」をテーマとした書評が格段に多かったことがわかる。

しかしそれよりも何よりも感嘆したのは、1本1本の文章の密度の高さだ。800字という限られた文字数(このレビューの約1.3倍)の中で、1600人に及ぶ評者たちは当該の本の内容と価値を魅力的に紹介すべく持てる知性と感性を総動員し、文章技術の粋を尽くしている。

それは批評対象に対する敬意の表れには違いないが、熱を帯びたその書きっぷりはむしろ著者と評者の「格闘の軌跡」とでも呼びたくなる。800字1本勝負のガチンコ対決5000本。やっぱりとんでもない。

(三省堂 16500円+税)=片岡義博


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