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『アマゾン、シングーへ続く森の道』白石絢子著 地球の裏側から問い返される

2012年04月02日


うわっ! ちょっとおよしなさい! 若い娘が南米アマゾンのジャングルに通うなんて。蜂や蚊に襲われるわ、灼熱地獄で脱水症状になるわ、男たちにライフル突きつけられるわ……。ハラハラして読むうちに、こっちの価値観が揺さぶられてきた。どうやらこれは単なる“元気娘のアマゾン体験記”じゃないぞ。

就職を前に自分の進路に迷っていた著者は、導かれるようにNPO法人・熱帯森林保護団体のスタッフとしてアマゾンのシングー先住民保護区の村に行くことになった。そこは電気も水道も貨幣もない。人々は生きるためだけに日々を生きている。何かをするために生きるのではなく、生きているだけで十分。そう思えたらふっと楽になった――。

アマゾンでは開発のため毎年、四国より広い面積の森林が消え、過度の乾燥で森が自然発火する。巨大ダム建設に抗議する先住民の声に政府は耳を傾けず、押し寄せる文明に先住民は「経済的自立」を余儀なくされる。「環境破壊」という聞き慣れた言葉が示す過酷な現実が、著者の五感を通してぐいぐい迫ってくる。

悩んで考えて怒って落ち込んで、それでも著者が毎年、地球の裏側まで足を運ぶのは、ジャングルの自然と先住民の世界観がいつも生きる力を与えてくれるからだ。となると、支援されているのは実は私たちのほう? 本書を通して、すべてを受け止める先住民の生き方に触れると、彼らから問い返されている気がする。あなたたちのほうこそ大丈夫なのか?と。

(ほんの木 1500円+税)=片岡義博


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