『東京島』 草食男子に肉食女子、現代社会の縮図が…
2010年08月24日

(c)2010「東京島」フィルムパートナーズ
無人島に漂着した23人の男に、たった一人のオンナ-。
逆ハーレム状態に妄想全開だが、そこは桐野夏生原作映画。原作では太った中年女だった清子を木村多江が演じることで幾分、生々しさは緩和されたが、生き恥をさらしてでも生き延びようとするずぶとさ、自分を天然記念物のトキに例えて勘違いしていく滑稽さは健在。
草食男子に肉食女子が蔓延する現代社会の縮図を見ているようで、あらためて桐野の観察眼の鋭さに頭が下がる思いだ。
男女間の生存競争のみならず、途中で中国人を投入し、日本男子のひ弱さをさらに浮かび上がらせるという、これでもか!の桐野節が女子には痛快でたまらない。
その今どき男子を演じる俳優陣が個性的で、ぞれぞれのキャラクターが立っている。そこは、これまで『おかえり』で寺島進に初主演の機会を与え、三橋達也ら激渋俳優たちによる『忘れられぬ人々』で老いと戦争をテーマに選ぶなど、人間を深く見つめてきた篠崎誠監督の味わいか。
特に、日本グループのはみ出しっ子ワタナベを演じる窪塚洋介が役にマッチ。久々に窪塚の存在が物語で生きている。ただ中途半端に現実感のないラストが……。原作ファンの賛否を呼びそうだ。★★★★☆(中山治美)
【データ】
監督:篠崎誠
脚本:相沢友子
出演:木村多江、窪塚洋介、福士誠治
8月28日(土)より全国公開









