2010年08月05日

東京室内管弦楽団と共演するズーラシアンブラスのメンバー。左から、トランペットを演奏する牛の仲間のゴールデンターキンとインドライオン、キリンの仲間で指揮のオカピ
夏休み真っ盛りの子どもたち、海へ山へと大はしゃぎ…と行きたいところだけど、うだるような暑さにおうちにこもって携帯ゲームばかりやっている子もいるんじゃないかな。そんな文化系なお子さまたち、クラシック音楽のコンサートなんてどうだろう? 普段は原則お子さまお断りのクラシック音楽の演奏会だけど、夏休みを機に子どもや親子向け演奏会が各地で開かれている。
まずのぞいてみたのが、東京・サントリーホールで開かれた「カーネギーキッズ」。クラシックの殿堂のひとつ、米ニューヨークのカーネギーホールと提携した事業で、米国で活躍する一流の若手演奏家らが3~6歳の子どもたちにクラシック音楽の魅力を教えてくれる。
会場の中央に敷かれた大きなカーペットに履物を脱いで座った子どもたち。ピアノの連弾や、バンドネオンも加わったタンゴなどの演奏が始まると、思い思いに体を動かして音楽を楽しむ。中には目の前で生まれる音に興奮して踊りだす子や、走りだしてしまう子も。本当に楽しそう。
ところが残念だったのは、お母さんたちに「静かにしなさい」と座らされてしまう子があちこちで見られたこと。終演後「おとなしく我慢できたね」とほめられている子も。うーん、お行儀良く音楽を聴く訓練ではないのになぁ。これではクラシック音楽が嫌いになってしまうかも…と老婆心。
確かに硬いイメージもあるクラシックの演奏会だけど、各地で大人気なのが金管アンサンブルのズーラシアンブラス。その名の通り、横浜市の動物園を本拠地に全国で演奏活動を続ける“希少動物たち”の金管五重奏団だ。子どもたちに生の演奏を楽しんでもらおうと全国を回る。
この日は東京都内で東京室内管弦楽団との共演。トランペット奏者のインドライオンたちがステージに現れると、客席の子どもたちから「ライオンさーん」などと声が飛ぶ。ユーモラスな動きで小ネタを挟みながら舞台は進行。演奏が始まると、金管楽器の鋭い響きに子どもたちはくぎ付け。わざと演奏を間違える演出や、指揮者のオカピがタクトを振りながら突然始める手品には大爆笑が巻き起こる。客席から“幻のメンバー”トランペットのゴールデンターキンが突如乱入してリードパートを奪う“筋書きのないドラマ”も盛り込まれ、いすの上に立ち上がって拍手を送る子どもたちも。会場は大盛況だった。
夏休み中、全国各地で開かれる子どもも聴ける音楽会。格安な公演が多いのも魅力だ。迷惑にならないよう静かに聴くのが基本のクラシックだけど、まずは親子で思い切り音楽を一緒に楽しんでみてほしい。演奏に飽きてぐずったり騒いだりしたら、すぐロビーなどへ出れば大丈夫。生の演奏に感化され、お子さんの才能が開花するかも?(加藤朗・共同通信社記者)
かとう・あきら 1979年生まれ。文化部音楽担当。クラシック音楽の演奏会取材でいきの良い演奏に出合ったとき、ついつい体が音楽に合わせて動いてしまうのを抑えるのに苦労しています









