スタバに救われた人生 『ラテに感謝!』 マイケル・ゲイツ・ギル著、月沢李歌子訳
2010年04月19日

客として店を訪れた娘にコーヒーを出すエプロン姿の父。このシーンを映画で見たい!
人生の敗残者による再起のドラマは、これまで繰り返し語られてきた。全米でベストセラーとなったこの回想録もその一つ。違うのはただ、舞台がスターバックスということだ。
エリートの道を歩んできた著者は、重役だった大手広告会社を突如解雇され、やがて地位もお金も家族もなくす。63歳でわらにもすがる思いで働き始めたコーヒー店。若くてタフな黒人女性店長のもと、トイレ掃除、レジ打ち、ドリンク作りと取り組むうちに、自分の中にある異なる人種・階級への偏見、娘たちへの無理解に気づいていく。
他人を支配することではなく、奉仕することの喜びを知った著者はふと、ある事実に気づく。「幸せだ。以前よりもずっと」。そしてもたらされる娘らとの和解、仲間からの祝福-。まるで映画のようだ…と思ったらトム・ハンクス主演、ガス・ヴァン・サント監督で映画化されるという。
読むうちにラテをホットで飲みたくなった。よくできたスタバの宣伝本?だとしても、この心洗われる実話は不況で冷えきった心をしっかり温めてくれる。
(ダイヤモンド社 1600円+税)=片岡義博
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