現場のなまの声を収め分かりやすく 『介護入門―親の老後にいくらかかるか?』 結城康博著
2010年04月05日

毎月17万の収入と、1000万の貯金があれば介護が必要になってもしのげるという…。
高齢者施設での火災、介護者による虐待、現場の人材不足…。「介護」という言葉には暗いイメージがつきまとう。でも、目を背けてばかりもいられない。誰にとっても身に迫った問題になりつつある。
本書は入門編として最適。介護に明るくなり、より身近になった。まずは介護保険のこと。施行10年を迎えるこの制度は、まだ試行錯誤の段階であり、要介護認定や従事者の報酬の面で改善すべき点があるようだ。
在宅介護や老人ホームの実際。医療と介護の違い。認知症のこと。介護士の現状…。ケアマネジャー業務に携わってきた著者ならではの現実的な視点。そして、現場のなまの声が多数収められていて、硬派だが分かりやすい。
サービスが充実しても高齢者が知らないと意味がない。個人の契約制度である介護保険では、この問題が顕著に現れるという。本書を読み、理解を深めてはどうだろう。
(ちくま新書 720円+税)=一色こうき
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