熱きエンジニアたちに栄光あれ! 『シブすぎ技術に男泣き!』 見ル野栄司著
2010年03月22日

オールカラーの25話。登場人物のキャラがいちいちユニークでいとおしい。
「ノンフィクションコミック」とでも呼ぼうか、エンジニア出身のマンガ家が日本のもの作り現場を取材して、日本経済を陰で支える熱き技術者たちの姿を描いた。というと、なんだかNHKの某番組っぽいが、まったく違う。
同じ型の衣類を大量に乾燥させる「自動乾燥機搬送装置」。食品包装の印刷ミスを見つける「印刷画像解析装置」。名前はエラそうだが機能は地味だ。その開発製造現場は女っ気もなく、さらに地味。内心売れないと思っても社命ならば死力を尽くす。汗水流して開発しても時代に遅れて日の目を見ないことも…涙。
というか、見えない穴一個、配線一本に徹底してこだわる執着ぶりは常軌を逸してもう異常。ノックアウト強盗に遭った翌日も出勤し、わざわざ連休を取って取引先の機械の面倒を見る。仕事への情熱も度を超すと悲喜劇になる。
そう、これはまったく新しいギャグマンガなのである。彼らを手放しで礼賛するのではなく、あくまで笑いに転化して、男泣きする自分をも笑う。元同業者へのマンガ流オマージュ、あっぱれ!
(中経出版 952円+税)=片岡義博
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