黒人ロッカーはいかにして白人の若者のスターになったか 『ジミ・ヘンドリックスとアメリカの光と影』 チャールズ・シャー・マリー著、廣木明子訳
2010年03月08日

ピーター・バラカンによる解説も収められている。
ロックは白人のもの、R&Bやヒップホップは黒人のもの、とする図式はいまだに根強い。話題のマイケル・ジャックソンはハードロックの要素を取り入れている。でもやっぱりブラック・ミュージックの枠に入るだろう。
しかし今から40年以上も前に、ロッカーとして絶大な人気を得た黒人アーティストがいた。本書の主人公ジミ・ヘンドリクスだ。当時、公民権運動により人種間の緊張が高まっていた。そんな時代に、ジミはいかにして白人の若者のスターになったか。時代の社会的背景まで含め詳細に語られる。
そして、彼の摩訶不思議なサウンドの秘密も。意外だったのは、ブルースやソウル、さらにジャズの影響が大きいことだ。そこにサイケデリック・ロックの影響が加わり、彼独自の音が生まれたということになる。
多文化をたやすく横断する姿はむしろ現代的。1960年代に成し遂げたことが快挙で、彼がいなければ、いまのマイケル人気もなかったのではないか、と思えてくる。
(フィルムアート社 2600円+税)=一色こうき
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