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モータースポーツ
心機一転、インディ挑戦 意欲みなぎらせる佐藤琢磨

2010年03月03日

インディカー参戦を発表した佐藤琢磨
インディカー参戦を発表した佐藤琢磨

2008年5月、所属チームのスーパーアグリ・ホンダが資金難で自動車F1シリーズから撤退、浪人生活を余儀なくされていた佐藤琢磨の去就がようやく決まった。活動の場は、インディカー・シリーズ。切望していたF1復帰は結局、かなわなかった。しかし、佐藤は新たな挑戦に意欲をみなぎらせている。

「非常に悔しい思いをしていた。インディカーへのフル参戦が決まり、喜びを抑えきれない」。2月に東京都内で会見した佐藤は満面の笑みを浮かべて、声を弾ませた。

インディカー・シリーズは、F1と同じオープンホイールの車で争う米国最高峰レベルの自動車レース。米国を中心に全17戦を実施、9月には栃木県のツインリンクもてぎでも開催する。中でも、米・インディアナポリスで行わうインディ500は40万人もの観客が押し寄せることで知られ、F1のモナコ・グランプリ、耐久レースのルマン24時間と並び、「世界三大レース」と呼ばれる。

とは言え、02年からフル参戦し、04年には日本人最高の3位に入った佐藤の目標はあくまでもF1復帰。だが、世界的な不況の影響でF1チームも活動資金の確保に苦しんでおり、大企業などの支援を受け、チームに資金を持ち込めるドライバーを選ぶチームが少なくないのが実情だ。

会見では終始、笑顔の佐藤もF1復帰ができなかったことを問われると、数チームと契約寸前までいったことを明らかにした上で、「自分の力ではどうしようもないことがある。それがF1」と悔しさをにじませた。

それでも、気持ちは切り替わっている。新たに所属するKVレーシングの本拠地を訪れた際には、マシンに1時間ほど乗り、F1とは違うインディカーの感覚を確認。「F1にはないオーバル(楕円(だえん)形)コースは難しいだろうが、市街地やロードはF1にもあったので、すぐに順応できると思う」と自信を見せる。

約2年に及んだ浪人生活を、佐藤は「レースのない生活はもう我慢できなかった」と表現した。開幕戦は14日決勝のブラジル・サンパウロ。レースに飢えた男が熱い思いを爆発させて疾走する姿を見るのが、今から楽しみだ。(榎並秀嗣)