史実の空白を利用して名作誕生の裏を描く 『モリエール 恋こそ喜劇』
2010年03月02日

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シェークスピアと並び称されるフランスの劇作家モリエールを描いている。
史実の空白を利用して、実は作家自身の秘められた恋が代表作誕生の裏に隠されていたとする伝記映画は、昔から少なくない。最近では『シャネル&ストラヴィンスキー』や『ジェイン・オースティン 秘められた恋』が、そのパターンの好例だろう。そして、ついにモリエール版『恋におちたシェイクスピア』が撮られたわけだ。
モリエールが有名になる以前、22歳の時の伝記上の唯一の空白期間である数カ月に着目し、実はこの時期に『町人貴族』や『人間嫌い』『タルチュフ:あるいはペテン師』などの後の傑作に直結する経験をしていたという話だ。
特筆すべきは、本当は悲劇に未練がありながらも、周囲が望む喜劇を書き続けたという史実を踏まえ、モリエールに喜劇の奥深さを諭した女性の存在を秘話の核に据えたこと。つまり本作が感動的なのは、モリエール賛歌である以上に喜劇賛歌になっているからである。★★★★☆(外山真也)
【データ】
監督:ローラン・ティラール
出演:ロマン・デュリス、ファブリス・ルキーニ、ラウラ・モランテ
3月6日(土)から全国順次公開









