行定勲監督の目を見張る充実ぶり 『パレード』
2010年02月16日

『パレード』=(c)2010 映画『パレード』製作委員会
公開中の前作『今度は愛妻家』も傑作だったが、こちらも負けてない。このところの行定勲監督の充実した仕事ぶりには、目を見張るものがある。
彼によると、前作は万人向けで、自ら「モラトリアム3部作」(ほかは『ロックンロールミシン』『きょうのできごと』)と位置づける今回は観客を選ぶ作品らしい。確かに、2LDKマンションをルームシェアする5人の男女の関係を通じて、都会に生きる若者たちの深層に鋭く切り込んだ本作は、いろんな解釈が可能な結末も含めて、好みの割れる映画だろう。
けれども、こと“画面の強度”にかけては、誰も文句の言えないレベルに達している。照明から人物配置、カメラのレンズ選びまで計算が行き届いていて、見事というほかはない。05年に『春の雪』で台湾の撮影監督リー・ピンビンと組んだことを機に、彼は“映画に目覚めた”んだと思う。
もちろん内容面や興行成績だって大事だが、行定監督にはこのまま今のスタンスを貫いていってほしい。★★★★★(外山真也)
【データ】
監督・脚本:行定勲
原作:吉田修一
出演:藤原竜也、香里奈、貫地谷しほり、林遣都、小出恵介
2月20日(土)から全国公開









