ぎゅっと詰まった生活を楽しくするヒント 『京都・東京 甘い架け橋 お菓子で綴る12か月の往復書簡』 甲斐みのり、奥野美穂子著
2010年02月15日

『京都・東京 甘い架け橋 お菓子で綴る12か月の往復書簡』 「六曜社」の名物は100円ドーナツ。素朴な味でとってもおいしいです。ぜひコーヒーのお供に。
毎日家に帰って、郵便受けをあけるあの瞬間が楽しみ。もちろん、そのほとんどがDMで、(出してもないのだから当然なのだけど)来るはずもない手紙を毎日どこかで期待してしまう。メールや携帯とは違ったワクワク感が、手紙にはある。
本書は、京都にあるすてきな喫茶店「六曜社」で働く奥野美穂子さんと、東京に暮らす文筆家の甲斐みのりさんとの間で交わされた、甘いお菓子と共に送られた往復書簡の記録。自分が楽しいから送るだけと、月に1、2回のこうした手紙のやりとりは、8年にも及んでいるのだそう。
季節のお菓子を、そのときに自分が見たり感じたりした言葉と共に贈りあう。それによって、「季節を楽しめるようになった」とは甲斐さん。鯉のぼりの季節の“サイダー色の風”、夏への扉が開く“お菓子の中に閉じ込められたしゃぼん玉”など、つづられている言葉が詩的で美しい。
「誰かのことを思うのは楽しい」と、送られる手紙の数々には毎日の生活を楽しくするヒントが、ぎゅっと詰まっている。
(淡交社 1400円+税)=江藤かんな
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