嫌悪感に魅せられ、なぜだか爽快 『私のこと、好きだった?』 林真理子著
2010年02月01日

『私のこと、好きだった?』 女性誌『STORY』で連載。兼一の妻の底意地の悪さが、凄いんですヨ。
連ドラを一気に観た後に似た、「堪能!」感とでも言いましょうか。この読み応え、他ではなかなか味わえない。
ヒロイン・美希子は、在京キー局に勤務しているアナウンサー。といっても、独身のアラフォー。看板アナと言われたのも遠い昔、一線を退き、若手の管理を任されている。そんな自分もよし。穏やかにすぎていた美希子の日々が、大学時代の友人・兼一との再会により揺さぶられる。
350ページ、美希子42歳から44歳までの2年間。縦軸は、友情と愛情の間を行き来する兼一との関係。「ケンちゃん」「美希子」と呼び合う、微妙な2人をけしかけるように、さまざまな出来事が起きる。エピソード満載、飽きることがない。また、著者の作品の醍醐味と言えば、人間のいやーな描写。「うわ、やなヤツ」の連続。なのに、読後感スッキリなのはナゼ?
本当に不思議……。さすがでございます、林真理子マジック。
(光文社 1600円+税)=尾崎英子
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