物語ごとに自分の気分も変わる 『Invitation』 江國香織、小川洋子、川上弘美、桐野夏生、小池真理子、高樹のぶ子、高村薫、林真理子著
2010年02月01日

『Invitation』 この8人が同じクラスだったらすごそう……。学級委員長は小川洋子かな?
当代一の女性作家たちと言って大げさではない。並びは、あいうえお順。ええ、角が立ちますからね……。
この手のアンソロジーは、作家の力量の差が露呈するものだけど、それがない。というのも、すでに作風を確立している作家たち。いずれも個性的で、比べようがない。
ただ、どの作品にも共通してあるのは、女性特有の「凄み」。ある種の「かたくなさ」とも言えるか。
江國香織の『蛾』。夫の喪失によって、それまでの世界からはみ出ていく女のあやうさを描く。桐野夏生の『告白』は時代もの。罪を犯したヤジローはポルトガル船で日本を脱出、遠い異国にたどり着いたが奇妙な日本人の老人に捕まり、暗い過去を聞かされる。人間の不自由さ、どこへ逃げてもしがらみがあるおそろしさ。
ミステリーあり官能あり。物語ごとに、自分の気分も変化する。未読の作家がいれば、入門にいい。Invitation(招待)されてはいかがでしょうか。
(文芸春秋 1400円+税)=尾崎英子
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