すごいんですYouTube 『クズが世界を豊かにする』 松沢呉一著
2010年01月25日

『クズが世界を豊かにする』 日本では姿を消したヤマンバメイクが海外で人気とか。…もう、わからない世界!
やっぱ大変なことになってたんだ、YouTube。たとえばスーザン・ボイル。そう、英国のオーディション番組で披露した美声がYouTubeにアップされ、一躍世界の人気者となった普通のオバサン。でも知ってました? 動画を投稿したのは番組自身だったということを。すなわち、このシンデレラ劇はテレビメディアがYouTubeを利用して仕掛けた世界的プロモーションだったわけだ。
さあ、この事件の経過もリアルタイムでチェックしていた本格“Tuber”たる著者が、怒濤の勢いでYouTubeの豊饒なる世界を案内してくれる。
巨大な耳あかを取り出す動画。くだらない? でもすごいアクセス数。道行く人と抱擁する「フリーハグ」は世界中に広まった。イラン大統領選の抗議デモでは人々がカメラ付き携帯で時々刻々の状況を伝え続けた。
動画を紹介しながら語られるメディア論、比較文化論がまた面白い。マスメディアによって選別されない何でもありの映像群。99%はクズでも、そのクズが残り1%の宝物を保証する。パソコンの前、紹介された動画にアクセスし、笑い、驚き、感動して読了。
(ポット出版 1600円+税)=片岡義博
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