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モータースポーツ
ヤマハが席巻 今季もリードできるか

2010年01月13日

ヤマハを引っ張るロッシ
ヤマハを引っ張るロッシ

2009年のヤマハは二輪モータースポーツのあらゆるカテゴリーで圧倒的な強さを見せた。ロードレース最高峰の世界選手権シリーズ・モトGPクラスでは、バレンティーノ・ロッシ(イタリア)が年間総合優勝。メーカーやチーム間で競い合うタイトルも獲得し、2年連続でライダー、製造者、チームの各部門で3冠を達成した。

市販車を改造したマシンで競うスーパーバイク世界選手権では初参戦のベン・スピース(米国)が、スーパースポーツ世界選手権でもカル・クラッチロー(英国)がそれぞれ王座を獲得。また、全日本ロードレース選手権など国内の各カテゴリーも制覇しており、ヤマハのライダーが二輪レース界を席巻したシーズンになった。

自ら現場で陣頭指揮に立つヤマハ発動機の古沢政生(執行役員MC事業本部技術統括部長)は昨季を振り返り「各競技で戦う選手たちの素晴らしい能力のたまもの」と称賛。ここまで圧倒的な強さを発揮した理由については「まずはモトGPで敵に勝てる武器をつくり、その武器を市販車に援用して戦うという方法がうまくいったのだと思う」と、技術的な戦略を説明した。モトGPマシン用に開発したエンジン技術を市販車に使用。それが高い戦闘力を発揮した、というわけだ。

また、モトGPクラスでフィアット・ヤマハの総監督を務める中島雅彦も「各競技にかかわる人々の熱意を実感する」と話す。「他カテゴリーのスタッフは『モトGPが頑張っているから自分たちも頑張れる』と言ってくれる。経済危機の苦しい状況下でもレースをリードしている手応えが、彼らの高いモチベーションに反映されているのでしょう」

出口の見えない不況の影響で、2010年は各選手権ともさらなる経費削減を予定している。各チームを支える企業の予算も、昨季以上に厳しくなる見込みだ。このような状況の中、最少の予算で最大の効果を生み出せるかどうかは、まさに技術者の士気の高さが鍵と言えるだろう。

モトGPクラスで、ロッシとホルヘ・ロレンソ(スペイン)という最強選手の布陣を擁するヤマハ陣営だが、今季はそこにスピースが加わる。古沢は「勝ってかぶとの緒を締めよ」と、自らを戒めることも忘れない。今季も、ディフェンディングチャンピオンのヤマハが二輪レース界をリードしそうだ。(モータージャーナリスト・西村章)