正論すぎる気がするが、得るものもあり 『グルメの嘘』 友里征耶著
2010年01月04日

『グルメの嘘』 批判対象の実名は伏せているが、何となく見当がつく。敵が多そうです。
グルメ雑誌で店を決めることがある。「行ってみると違った」というのもよくあること。もう店選びを失敗したくない!という方には、参考になる1冊かもしれない。
グルメ界の「不都合な真実」と銘打たれた本書。著者は「覆面、自腹」の取材スタイルを敢行している辛口のレストラン批評家だ。
「飲食店を取り上げるマスコミに、ジャーナリズム精神は皆無」と冒頭から鼻息が荒い。「美味しい」を連発するライター、修業履歴を詐称する料理人、「にわかグルメ」の文化人など、業界の罪と罰を暴露していく。偏狭な気がするが、主張は正論。後半の、飲食店業界の常識・非常識、良い飲食店の条件は参考になる。「再開発ビルの店にコストパフォーマンスの良い店なし」「大間の鮪増殖中!の不思議」など、裏のからくりが興味深かった。
高級クラブと同じで、その店を使うステータスというのもある。本書を好きか嫌いか別として、読んで得たものはあった。
(新潮社新書 700円+税)=尾崎英子
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