興味深いエピソード、勝ち負けを越えたサービス精神 『野球は人生そのものだ』 長嶋茂雄著
2009年12月07日

『野球は人生そのものだ』 敬遠に抗議しバットを持たず打席に立つ、息子を球場に置き去りにする…など笑えるエピソードも。
昭和の大スター長嶋茂雄。僕ぐらいの世代だと現役時代は知らないけど、テレビに出てくる親しみやすい人というイメージ。ザ・長嶋ワールドといったオーラを持ち、何をやっても注目される珍しい人という印象。
本書では幼少期から最近の生活までがつづられる。この希代の人物をよく知らない若者こそ読むべき、と感じた。日本プロ野球の黄金期を築き、国民的スポーツにまで押し上げた才能。そこから何か指針が得られるはず。
立教大でのスパルタ教育から得たもの、4打席4三振を喫した痛恨のデビュー戦、天覧試合でのサヨナラ本塁打、監督就任1年目の最下位から翌年の大逆転優勝、野球を離れた12年の浪人生活…。ここ一番で必ず何か起こしてしまう人。まさにスター。
そのエピソードも興味深いが、長嶋一流の野球哲学も見逃せない。メジャーから影響をうけた「見せる野球」という信念。勝ち負けを超えたサービス精神こそ、今の日本野球に足りないものだと感じるが、どうだろう。
(日本経済新聞出版社 1600円+税)=一色こうき
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